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門は狭くなる一方 馬主の晴れ舞台

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2019/2/9 6:30
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2018年の中央競馬で活躍した人馬を表彰するJRA(日本中央競馬会)賞の表彰式が1月28日、東京都内のホテルで開かれた。競馬関係者なら誰もが目標とするこの晴れ舞台には、ほかの競技と大きな差がある。スポットライトを浴びるのが馬主という点だ。主役のはずの馬をホテルに連れてくるわけにもいかないし、言葉も話せないから、代わって馬主が「関係者代表」として栄誉に浴する。JRA賞で競走馬部門の表彰式に立つのも、G1のレース後に勝ち馬の手綱を取る(「口取り」と呼ぶ)のも、馬主にとっては無上の喜びだが、近年は晴れ舞台への門はかなり狭くなってきている。昨年の平地G1勝ち馬の所有関係を整理すると、そのあたりが見えてくる。

JRA賞授賞式で年度代表馬などに選ばれたアーモンドアイの関係者らと騎手大賞を受賞したクリストフ・ルメール騎手(前列右端)=共同

JRA賞授賞式で年度代表馬などに選ばれたアーモンドアイの関係者らと騎手大賞を受賞したクリストフ・ルメール騎手(前列右端)=共同

過半数はクラブ法人所有馬

今回の表彰式の主役は、クラブ法人「シルクレーシング」の米本昌史代表だった。アーモンドアイが4つのG1を含め重賞のみ5戦5勝。満票で年度代表馬に選出されたばかりか、暮れの有馬記念でG1初制覇を果たしたブラストワンピースも、最優秀3歳牡馬に選出された。馬主の賞金ランクも14年の6位から「5位→4位→4位」と来て昨年は2位に。獲得賞金は30億円を突破する大躍進だった。表彰された2頭はノーザンファーム(NF)の生産。「シルク」はNFから主に馬の供給を受けており、NFの独り勝ちが進むとともに浮上した。現在、主にNF生産馬を扱うクラブ法人はシルクのほか、「キャロットファーム」がある。

キャロットはシルクと同様、2頭の部門表彰馬を出した。最優秀4歳以上牡馬のレイデオロ、最優秀4歳以上牝馬のリスグラシューで、昨年は賞金ランク3位にとどまったが、14、16年は1位。最優秀ダート馬ルヴァンスレーヴを所有する「G1レーシング」は、10年創設のクラブ法人で、同馬は社台グループ傘下の白老ファーム生産。結局、表彰馬9頭中5頭がクラブ所有だった。

クラブ法人は日本独特の存在で、資産要件など馬主登録のハードルが高いのを利して勢力を伸ばした。クラブには2つの法人があり、1つは馬主登録された法人で、もう1つは「愛馬会法人」と呼ばれる。愛馬会法人は会員を募って出資金を集め、その資金で生産者から馬を取得し、馬主法人に現物出資する。出資会員は引退まで維持・管理費用も出して馬を支えるが、彼らには馬主資格がない。資格がないと、競馬場の馬主席や検量室などに立ち入りができず、以前はレース後の表彰式にも参加できなかった。今は人数を限って参加できるが、馬主とは待遇がかなり異なる。

セレクトセールが唯一の道?

一方、非クラブ馬は4頭で、最優秀短距離馬ファインニードル(引退)はアラブ首長国連邦ドバイのシェーク・ムハンマド首長の競走馬法人「ゴドルフィン」の所有。ムハンマド首長は世界規模の大馬主で、資金力でNFに対抗できる数少ない存在。同馬は傘下のダーレー・ジャパンファーム生産で、「個人」と呼ぶのが適切かどうか、疑わしい。

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