2019年5月27日(月)

アグクル、米こうじ使い発酵調味料 宇都宮大生が起業
(Bizブックマーク)

2019/2/5 22:26
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こうじを子供の栄養に――。宇都宮大学の学生が立ち上げたスタートアップのアグクル(宇都宮市)が昨年10月、初の自社商品である米こうじを使った万能発酵調味料「おりぜ」を発売した。自然な甘さと栄養バランスの良さを売りに、子育て世代の女性などに売り込んでいる。活用法を自らインターネットで発信するなど、商品PRに熱がこもる。

アグクルの小泉代表。4月からは経営に専念するという

おりぜはペースト状の調味料。米こうじだけを使った「あまこうじ」、しょうゆを入れた「しょうゆこうじ」、塩を使った「しおこうじ」の3種類がある。120グラムで価格は450円。

肉料理や野菜のあえ物など調味料として様々な使い道があり、レシピは同社のウェブサイトで発信している。味噌やしょうゆのように、食卓で気軽に使用できる調味料にしていくのが目標だ。

アグクルは宇都宮大4年生で農業経済学を学ぶ小泉泰英代表らが2018年5月に設立した。現在の社員は同大の学生4人だ。宇都宮市内の閉店したスーパーを居抜きで借り受け、事務所兼工場として使用している。

小泉代表は大学で味噌店の経営戦略を研究し、農家で研修を受けた経験もある。東京で出会った大学生社長と意気投合し起業を志したという。

知識を生かした発酵食品の開発を目指すなかで着目したのが「子ども向けのこうじ食品」だ。甘酒など米こうじの商品は健康志向の消費者に好まれる。「赤ちゃんでも安心して口にできるこうじの商品を作りたい」と、約1年の開発期間を経て「おりぜ」を発売した。

マーケティングには曲折があった。おりぜを赤ちゃんに食べさせたところ反応が良かったため、初めは「赤ちゃん向け」とする構想だった。ただ赤ちゃん向けではマーケットが狭く、現在は「子ども向け」の調味料として主婦層などに売り込んでいる。宇都宮大学の教員や先輩起業家の助言も受けながら前に進んでいる。

昨年10月、栃木銀行のビジネスプランコンテストで優秀賞を受賞。宇都宮市が昨年実施した、ふるさと納税を活用した起業家支援のクラウドファンディングでも目標額の200万円を達成するなど注目度は高い。発売から4カ月で約1000個を売り上げた。

課題は販路開拓だ。現在はインターネットやマルシェでの販売に限られる。製造や授業・研究の合間を縫って営業にも汗をかく。運営の効率化に向けパート社員の雇用も検討している。

小泉代表は「想定より事業は速く進んでいるが、軌道に乗るには1~2年はかかると思う」と話す。3年後の売り上げ3千万円を目指し、試行錯誤の日々が続きそうだ。

(宇都宮支局 松本萌)

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