キリンHD、「健康で稼ぐ」 協和バイオを子会社化

2019/2/5 18:23
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キリンホールディングス(HD)は5日、グループで医薬品原料やサプリメントを手掛ける孫会社の協和発酵バイオを4月に直接の子会社にすると発表した。ビールや清涼飲料といった既存事業を巡る環境が厳しさを増すなか、キリンHDは健康の促進や病気の予防を成長分野と位置づける。医薬品やサプリメントに使う発酵などを手掛ける協和発酵バイオを取り込んで成長のアクセルを踏み込む。

50.1%を保有する連結子会社の協和発酵キリンから協和発酵バイオ株の95%を買い取る。取得額は約1280億円。協和発酵バイオは2008年、キリンHDが医薬事業を協和発酵工業(現・協和発酵キリン)と統合したことに伴ってバイオ関連事業を分社してできた。18年12月期の売上高は782億円、本業のもうけを示す「コア営業利益」は81億円だった。

協和発酵バイオとは従来も健康・予防分野で連携している。キリンHD独自の「プラズマ乳酸菌」を食品に応用できるように粉末の素材を開発し、サプリメントとして売り出している。協和発酵バイオの活用策は今後詰めるが、健康・予防の戦略を担う中核会社に据える。子会社にすれば研究開発を機動的に進められると期待する。

経済産業省の調べによると、健康食品や大衆薬など健康維持や促進にかかる市場は25年に12兆5000億円と16年から3割伸びる。健康食品では、酒類や飲料で競合するサントリーホールディングスが市場を開拓し、シェア首位とみられる。「27年に(健康・予防分野の売上高を)1000億円に引き上げる」。キリンHDの磯崎功典社長の意気込みも強い。

だが、それ以上に同社の動きの背景には世界的にビールや清涼飲料など既存事業を取り巻く環境の厳しさもある。

世界では世界保健機関(WHO)が適正飲酒に向け、税金引き上げや広告禁止・制限などの対策を呼びかけている。清涼飲料も同様だ。消費者の清涼飲料の過剰摂取を防ぎ、肥満や糖尿病を減らす狙いで、糖を多く含む清涼飲料に課税する「砂糖税」の導入が世界で広がる。いずれも同社のビールや飲料に逆風となる可能性がある。

海外の酒類業界では従来、事業の選択と集中を進める企業への投資家の評価が高かった。アンハイザー・ブッシュ・インベブなど世界大手はビールに集中し、「一本足打法」の企業が多いのが実情だ。キリンHDは集中はリスクとなりかねないとみる。社会的要請の強い健康関連に本腰を入れ、持続的な経営をめざす。

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