2019年6月20日(木)

資産運用の日米格差 元財務官僚が起業したワケ
ウェルスナビ・柴山和久社長 後編(日経STARTUP X)

2019/2/8 6:30
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コンピュータープログラムが顧客一人ひとりに合わせた資産運用を提案するロボットアドバイザー(ロボアド)。このロボアドを活用した運用サービスを手掛けるウェルスナビ(東京・渋谷)の柴山和久社長(41)は元財務官僚だ。国際結婚の後、退官した柴山社長が「資産運用」に着目して起業に踏み切ったのはなぜか。動画配信サイト「Paravi(パラビ)」の日経オリジナル番組「日経STARTUP X」では、米国人の妻の実家で痛感した「日米格差」が大きな理由と語った。

柴山社長は大蔵省(現財務省)に入省後、留学中に出会った米国人女性と結婚。やがて英財務省に出向する。帰国後、深夜勤務が珍しくない生活に戻るが、働き方の「日英格差」に驚いた妻から「仕事をとるか、家族をとるか」迫られ、次の就職先も決めないまま退官を決めたという。半年近く経済的に厳しい時期を送るが、ほどなくマッキンゼーに入社。米ウォール街で機関投資家をサポートする業務などに就いた。

柴山和久(しばやま・かずひさ) 1977年生まれ。2000年東大卒、大蔵省(現財務省)入省。04年米ハーバード大ロースクール卒、06年に英財務省出向。日英では予算、税制、金融、国際交渉を担当した。09年財務省を退官し仏経営大学院INSEADでMBA(経営学修士)取得。10年マッキンゼー入社、機関投資家のサポートでリスク管理と資産運用に携わる。15年にマッキンゼーを退社しウェルスナビ設立。

柴山和久(しばやま・かずひさ) 1977年生まれ。2000年東大卒、大蔵省(現財務省)入省。04年米ハーバード大ロースクール卒、06年に英財務省出向。日英では予算、税制、金融、国際交渉を担当した。09年財務省を退官し仏経営大学院INSEADでMBA(経営学修士)取得。10年マッキンゼー入社、機関投資家のサポートでリスク管理と資産運用に携わる。15年にマッキンゼーを退社しウェルスナビ設立。

ようやく職を得たマッキンゼーを辞め、起業を決めた理由はごく個人的な体験だった。米シカゴの妻の実家を訪れた時、家族の資産状況をみてほしいと頼まれる。提示されたのがプライベートバンクの運用報告書だった。サラリーマンの家庭ながら、本来は富裕層を顧客とするプライベートバンクを会社の福利厚生で利用し、日本のサラリーマンよりも豊かな資産を形成していた。そんな米国の実情に衝撃を受けた。

日米では個人の金融リテラシーにそれほど差がない、と柴山社長はみる。ただ「長期・積み立て・分散」投資で資産を増やす成功体験を持つ人が米国には多く、一般化しているのが大きな違いだ。預金や保険での運用に頼りがちな日本の個人投資家に、一定のアルゴリズムによってリスク資産も含めた運用を手軽にできる富裕層向け並みのサービスを提供すれば、こうした日米格差を解消できるのではないか。こうした思いがウェルスナビの起業につながったという。

(2018年12月19日収録)

全編を動画配信サイト「パラビ」で配信しています

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