2019年2月17日(日)

トヨタ「レクサス」半年で乗り換えOK 月額19万円

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2019/2/5 14:02 (2019/2/6 1:34更新)
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トヨタ自動車は5日、高級車「レクサス」の定額利用サービスの概要を発表した。6日から東京都で始め、今夏以降に全国に広げる。月額19万4400円(税込み)の支払いで3年間、半年ごとに新車の多目的スポーツ車(SUV)など6車種を乗り換えられる。税金や保険代も含み、車を手軽に利用したい消費者を狙う。定額サービスは音楽や映像で普及するが、車で広がるかの試金石になる。

■頭金不要、登録費や税・保険は込み

トヨタの高級車「レクサス」を月額制サービスで乗り換えられる

トヨタの高級車「レクサス」を月額制サービスで乗り換えられる

トヨタの金融子会社のトヨタファイナンシャルサービス(TFS)、リース大手の住友三井オートサービスが1月に新会社「KINTO(キント)」を設立し、新車の定額サービスに参入する。TFSが新会社に66.6%を出資した。

レクサスの定額サービス名は「キントセレクト」で、頭金がいらず、登録費用や自動車税、任意保険なども月額料金に含まれ、手続きの手間も省ける。3年契約で、初回は最寄りの販売店を通じてレクサス車を受け取る。6日から東京都内のレクサス店で展開し、今夏以降にインターネットでの受け付けも始め、全国の都市部に広げる予定だ。

キントセレクトが想定する利用者は「お金に余裕があり、(サービス利用料を)経費として精算できる方」(住友三井オートサービスの小熊浩常務執行役員)。利用料は車を購入したときと同様に経費扱いが可能だ。弁護士や会社経営者などが対象とみられる。

対象は6車種で、乗り換える際もすべて新車のハイブリッド車になる。半年ごとにSUVの「RX」「NX」「UX」、セダンの「ES」「IS」、スポーツクーペ「RC」から選べる。購入する場合は車両価格だけで1台425万~604万円。車両はリース扱いになるため、レンタカーなどの「わ」ナンバーの対象外だ。

■日系メーカーとして初参入

従来のリースは特定の商品が対象だが、定額サービスは複数の車種を利用でき、自宅や契約駐車場にとめられるのが特徴だ。定額サービスで同じ車に乗る半年間は、レンタカーやカーシェアリングのような利用する度の手続きは不要となる。

欧米メーカーはすでに米国などで新車の定額サービスを始めているが、日系メーカーの国内展開は初めて。トヨタは従来、新サービスには慎重だったが先陣を切る。国内市場の縮小などの危機感が背景にある。

「トヨタはどこに市場があるかを予想し、石橋をたたいて渡ってきた。今回は不透明ななかで先手を打つ」。5日、名古屋市内の会見で、新会社「キント」の小寺信也社長はスピード重視を強調した。東京でまず始め、定額サービスの需要や車種のニーズ、付帯サービスを検討する。当初は富裕層が対象とみられるが、手探りで全国展開を目指す。

■市場縮小、異業種参入の危機感

国内の新車市場はピークの1990年から3分の2まで縮んだ。トヨタの販売台数も直近の18年は156万4千台で、90年比で4割減っている。トヨタが販売会社首脳らに示した厳しい試算では、従来の販売方法では25年に120万台まで落ち込む可能性がある。だがトヨタは国内生産300万台、国内販売150万台の死守を掲げる。

トヨタの佐藤康彦執行役員は「新車の平均保有期間は現在約9年。(定額サービスやリースが広がり)1年短縮できれば約15万台の販売が増える」とそろばんをはじく。毎回新車に乗れる今回の定額サービスは1人当たり年間2台の新車が必要で、利用が広がれば販売増には寄与する。1月から始めたカーシェアリング事業も販売台数増のカギを握る。

すでに音楽や映像、高級服飾では、利用者が毎月定額を払うサブスクリプション型のビジネスが広がる。保有から利用への消費シフトは強い。自動車でも中古車販売大手のIDOMが中古車の定額サービス「ノレル」を手がけ、独BMWの新車も扱う。小寺社長は「移動サービスには様々な業界からの新規参入の可能性がある」と危機感を強める。

■サービス普及に課題も


 高額品である自動車の定額サービスの普及にはハードルもある。キントセレクトで3年間で支払う総額は約700万円。「RX」や「ES」といった対象車種を新車で購入できる金額になる。保険料や自動車税も込みとはいえ、単純なコストの比較では不利だ。
 他社のサービスも順調ではない。17年に米国で高級車ブランド「キャデラック」で試験的に開始した米ゼネラル・モーターズ(GM)は18年後半に一時中止し、運営コストや車種を見直している。同ブランドの最高マーケティング責任者、デボラ・ワール氏は米自動車専門誌に「営業や整備などで900店以上ある販売店網を活用する」という。
 トヨタの場合も国内5000店の販売店の活性化と、定額サービス分も含め全体の販売台数を保つための施策という面もある。異業種も参入するなか、消費者目線で支持を集められるか問われる。(吉田悟巳、工藤正晃)

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