成田空港の発着時間延長、五輪へ訪日客誘致に弾み
成田空港のA滑走路の発着時間が10月末から延長されることが4日、正式に決まった。千葉県と成田市など空港周辺の9市町、国土交通省、成田国際空港会社(NAA)が同日、同県芝山町で開いた4者協議会で合意した。東京五輪・パラリンピック前の延長が決まり、五輪での訪日外国人客誘致に弾みが付きそうだ。

原則午前6時から午後11時までだった発着時間を翌午前0時まで延ばす。発着時間の延長は1978年の開港以来初めて。NAAの夏目誠社長は「地元自治体に感謝している。交通アクセスの整備や人手不足の解消などの課題を着実に乗り越え、地元の苦渋の決断に応えていきたい」と述べた。
早期延長を巡っては昨年12月、空港周辺の9市町の首長が議論したが、騒音などを理由に2市町が反対。その後、NAAが自治体による騒音対策費の一部負担などを提示し、反対していた2市町も受け入れを表明していた。
4日の4者協議会では、成田市やNAAのほか、9市町の市長・町長らが出席し、延長案の受け入れに同意した。成田空港圏自治体連絡協議会で会長を務める成田市の小泉一成市長は「(国やNAAによる)環境対策などへの一層の協力が確認できた。多くの住民の理解が得られると受け止めている」と述べた。
4者協議会は昨年3月、成田空港の機能強化で合意した。2020年代後半に第3滑走路を完成させたうえで、発着時間を空港全体で午前5時~翌午前0時半とする計画だ。
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