イタリア景気後退入りか、財政リスク再燃も

2019/2/4 19:04
保存
共有
印刷
その他

【ブリュッセル=森本学】低迷するイタリアの景気が後退局面に差し掛かってきた。1月31日に国家統計局が発表した2018年10~12月期の実質国内総生産(GDP)の伸び率は前期比0.2%減少し、2四半期連続でマイナスとなった。伊政府は「一時的」と説明しているが、市場では伊政府による従来の楽観的な見通しへの不信が根強い。本格的な景気後退に向かえば、GDP比で130%超の大きな公的債務を抱える同国の財政リスクが再燃する懸念がある。

経済統計上はGDPの伸び率が2四半期連続でマイナスとなることが、景気後退局面入りの目安とされている。10~12月期GDPは速報値で詳細な内訳は公表されていないが、国家統計局は工業部門と農業部門がマイナス成長だったと説明している。

イタリア銀行(中央銀行)は1月中旬、GDP公表を前に、2019年の成長率見通しを従来の1%から0.6%に下方修正したばかり。しかしビスコ伊中銀総裁は2日、さらに見通しが著しく下振れするリスクがあると指摘した。

イタリアのコンテ首相は景気低迷は中国やドイツの成長鈍化など海外要員が主因で、19年下半期には回復に向かうと説明している。しかし、イタリアの最大の輸出先であるドイツは景気減速が鮮明になっている。

IHSマークイットが1日発表した1月の製造業の購買担当者景気指数(PMI)の確定値では、ドイツが約4年ぶりに経済活動が拡大しているかどうかの目安である50を割り込んだ。製造業PMIは景気の先行指標で、先行き不透明感の強さを示している。

イタリアのポピュリズム(大衆迎合主義)政権は財政拡大による景気のテコ入れを狙っているが、あくまで楽観的な成長見通しが前提だ。景気後退が本格化すれば、高水準の公的債務を抱える同国の財政の先行きへの不安が市場で強まり、財政資金の借り入れコストを大きく引き上げる懸念がある。

イタリアは19年予算案を巡って、欧州連合(EU)の欧州委員会と財政規律を巡って対立。年末ギリギリで合意し、欧州委による制裁発動は回避したものの、20年、21年の予算を巡って再び対立する可能性が大きい。ビスコ総裁は「財政政策を巡る不透明感は解消されていない」とも指摘。19年も伊経済がユーロ圏を揺さぶるリスクが強まっている。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]