2019年6月26日(水)

「非核化」見返りで駆け引き 米朝、5日にも実務協議

2019/2/4 21:30
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【ソウル=鈴木壮太郎】米国と北朝鮮は2月末ごろの開催で合意したトランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長の首脳再会談に向けた実務協議を5日にも開く。北朝鮮が約束した核施設の査察などに対し、米国が「相応の措置」で応じるかが焦点だ。休戦状態にある朝鮮戦争の終戦宣言や連絡事務所の設置、南北経済協力事業の再開容認などの案も取り沙汰されている。

訪韓した米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は4日、韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長らと約50分間会談し、米韓の連携を確認した。米朝実務協議の日時は発表されていないが、韓国メディアは南北の軍事境界線がある板門店での5日開催が有力と報じている。

交渉相手は金革哲(キム・ヒョクチョル)元駐スペイン大使との見方が強い。2016年夏に韓国に亡命した北朝鮮元駐英公使の太永浩(テ・ヨンホ)氏によると、金氏は外交官一家出身のエリート。外務省で外交戦略を立案する部署を歩み、スピード出世した人物という。対米交渉を担ってきた崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官と役割分担し、交渉力を高める狙いのようだ。

今回の実務協議や首脳再会談での焦点は、金正恩氏が18年10月のポンペオ米国務長官との会談時に「米国が相応の措置を取れば」との条件付きで約束した北西部寧辺(ニョンビョン)の核施設への査察に対し、米国が見返りを示すかだ。米国が「完全で検証可能な非核化を目にするまで圧力と制裁を維持し続ける」と主張するのに対し、北朝鮮は非核化に向けた行動ごとに対価を得る方式を譲らず、議論は平行線をたどってきた。

北朝鮮のウェブサイト「我が民族同士」は4日付の論評で「我々は核兵器をつくらず、実験も使用も拡散もしないと宣言し、それに伴う実践措置をとってきた」と強調。「米国が核廃棄を一方的に強要し、制裁圧迫を続けるのなら『新たな道』を模索せざるを得ない」とけん制した。

韓国政府が事態打開に向けた折衷策として期待するのが、米朝が包括的な合意を結んだ上で段階的に履行する案だ。康京和(カン・ギョンファ)外相は国内メディアとの会見で、米国が取り得る「相応の措置」として「終戦宣言や人道支援、米朝間の常設的な対話チャンネルなどいろいろあり得る」と指摘した。

中断したままの開城工業団地や金剛山観光事業の再開も「米朝の交渉テーブルに上がる」との見方を示した。米国は制裁は最後まで緩めないが、南北共同事業の一部は例外として解除を容認するとの観測が浮上する。

米紙ワシントン・ポスト(電子版)は1月下旬、米国が同盟国に第三国の口座に資金を供出させ、北朝鮮が非核化に向けて行動するごとに資金を提供する案をまとめ、ビーガン氏が北朝鮮に提案したと報じた。「北朝鮮が非核化する可能性はかなりある」。トランプ氏は3日、米CBSテレビのインタビューで自信を示した。在韓米軍の撤収は「議論したこともない」と否定したが「いつかそうするだろう」とも語った。

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