炭鉱の町「爆破」の聖地に 福岡・筑豊、ロケ誘致

2019/2/5 9:08
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爆破イベントで筑豊人気に火をつけろ――。かつて炭鉱で栄えた福岡県筑豊地方をアクションシーンの「聖地」にしようと、新たなプロジェクトが動き始めた。空き地や本物の鉄道駅を舞台に、爆破や銃撃戦などのアクション体験ができるイベントを開催。地元は将来的に映画やドラマ撮影の誘致につなげ、観光客を取り込みたい考えだ。

「ドーン、ドーン」。火薬が爆発し、耳をつんざくすさまじい音とともに火柱が10メートル近く上がる。砂ぼこりが立ち上り、もうもうと白煙が渦巻く中、パトカーがさっそうと駆け抜けていった。刑事ドラマの1シーンのような光景だ。

1月下旬、福岡県中部の糸田町で、爆破体験イベント「爆破インスタ!」が開催された。「道の駅いとだ」(同町)に隣接する空き地で、火薬を使ったカーアクションを観光客に体験してもらう企画だ。地元福岡だけでなく東京都などからも人が集まり、アマチュアレーサーが運転する車両に乗り込んで、間近の爆発や炎を堪能した。

東京都世田谷区の会社役員、松井優さん(39)は興奮した様子で「熱風、音、揺れがすごかった。顔が焼けたかと思った。東京では絶対体験できない」。イベントはスマートフォンなどで撮影でき、松井さんは「フェイスブックやインスタグラムに載せたい」と笑顔を見せた。

プロジェクトの仕掛け人は映像作家の永芳健太さん(46)。筑豊地方の福岡県飯塚市出身で、今は東京で働く。爆破アクションでおなじみのテレビドラマ「西部警察」の撮影現場を子供の頃に目にし、映像の世界を志すようになったという。

永芳さんは「筑豊は『修羅の町』『怖い』などと暗いイメージがあるが、それを逆手にとって『男気がある』『格好良い』といった世界観に転換できるのではないか」と狙いを話す。他地域でも採石場の爆破見学といったイベントは開催されているが、映像作家としての経験を生かしたアクションシーン体験は「誰にもまねできない」と胸を張る。

特撮映画さながらのカーチェイスと爆破を体験するイベント(福岡県糸田町)

特撮映画さながらのカーチェイスと爆破を体験するイベント(福岡県糸田町)

爆破やカーアクションには危険が伴うため、安全面に配慮した綿密な準備が必要だ。永芳さんは地元の警察署への届け出などを済ませ、安全対策に万全を期している。

行政も機材提供などでプロジェクトを支援する。糸田町地域振興課の森下喬廣さん(41)は「『炭鉱』と『爆破』はイメージがつながり、町の知名度を上げるのに非常に効果的なイベント。地域全体で盛り上げていきたい」と話す。

第2弾として、2月下旬にも撮影用銃器の発砲と銃撃戦シーンを体験できるイベントを糸田町の隣の福岡県田川市で開く。さらに、平成筑豊鉄道の本物の列車と駅を舞台にしたアクション映画の撮影体験会も企画している。永芳さんは「国内では爆破やカーアクションなどのシーンを撮影できる場所は少ない。映画やドラマのロケ誘致にもつなげたい」と意気込みを語る。

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