2019年2月17日(日)

日産の生産撤回、英で波紋 EU離脱の不安増す

英EU離脱
自動車・機械
ヨーロッパ
2019/2/4 9:00
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【ロンドン=篠崎健太】日産自動車が3日、主力車種を英国でつくる計画を取りやめたことに対し、英国内で波紋が広がった。クラーク民間企業・エネルギー・産業戦略相は「自動車業界と地域に打撃だ」と懸念を示し、英メディアは決定を大きく報じた。3月末に迫る欧州連合(EU)離脱を巡り、次々とあらわになる産業界への悪影響に不安が増してきた。

英サンダーランドにある日産の自動車販売店=ロイター

クラーク氏は「自動車は英経済に欠かせない産業だ」との声明を出し、雇用には影響がないとの見通しを強調した。英メディアによると4日に英議会下院で日産の決定について説明する予定だ。

日産は多目的スポーツ車(SUV)「エクストレイル」の次期モデルを英北部サンダーランド工場で生産する計画だったが「EUとの将来関係の不透明感が続いている」などとして日本に切り替えると発表した。同工場では2018年に44万台強を生産した。英全体の生産台数の約3割を占める存在で、悪影響を懸念する声が相次いだ。

英BBCは定時ニュースのトップで繰り返し伝えた。英最大労組ユナイトは声明で「非常に失望するニュースだ。自動車業界全体が直面する重大な試練を映している」と訴え、EU離脱の先行き不透明感を払拭できない政府を批判した。

政界からも発言が相次いだ。サンダーランド選出のエリオット下院議員(労働党)は「EU離脱は製造業の意思決定の主要な要因になっている」とコメントし、地元に衝撃的だと危機感をあらわにした。労働党のコービン党首はツイッターに「合意なき離脱の恐れが英経済を傷つけている」と書き込み、与党・保守党を批判した。

一方、BBCによると保守党の強硬離脱派の筆頭格であるリースモグ下院議員は「日産にはEU離脱と無関係の様々な問題がある」などと述べ、EU離脱と生産計画撤回を関連づける動きに一線を画す立場をみせた。

英自動車工業会(SMMT)によると、18年の業界の投資額は5億8860万ポンド(約840億円)と前年の半分近くに落ち込んだ。「合意なき離脱」を警戒してホンダや独BMWが4月に英工場の操業休止日を設けることを決めるなど、企業活動への悪影響に懸念が深まっている。

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