2019年6月17日(月)

日産、英エクストレイル撤退なぜ 3つのポイント

3ポイントまとめ
2019/2/4 8:36
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日産自動車は3日、多目的スポーツ車(SUV)「エクストレイル」の次期モデルを英国でつくる計画を取りやめ、日本の九州工場での生産に切り替えると発表しました。英国の欧州連合(EU)からの離脱がどんな形になるのか、2カ月を切った今も結論が出ず、事業環境が見通せないと判断しました。

(1)英政府の「約束」で生産を決めていた

日産は英国での自動車生産台数が外国メーカーで最大(英北部サンダーランドの工場)=ロイター

日産は英国での自動車生産台数が外国メーカーで最大(英北部サンダーランドの工場)=ロイター

日産がエクストレイル次期モデルの英国での生産を表明したのは、EU離脱を決めた国民投票から約4カ月後の2016年10月です。カルロス・ゴーン社長(当時)がメイ首相と会い、EU離脱後も競争力を保つと約束されたことが支えになっていました。英国内でも当時、大型投資に歓迎ムードが広がりました。

日産、英で主力車の次期モデル生産 メイ首相が歓迎

(2)「合意なき離脱」なら通商混乱

英政府がEUとまとめた離脱協定案は1月15日に英議会下院で否決されました。EU側は離脱案の修正に消極的で、このまま歩み寄れないまま3月末を迎えると「移行期間」もできずに突然、英・EU間の貿易に通関手続きや関税が生じます。欧州内で複雑なサプライチェーン(調達・供給網)を張り巡らせている自動車業界には大きな打撃です。

ブレグジット波高し、自動車産業深まる苦悩

(3)悪影響はすでに顕在化

18年の英国の自動車生産台数は前年と比べて9%減り、13年以来5年ぶりの低水準に落ち込みました。欧州のディーゼル車規制を巡る先行き不透明感に加え、EU離脱を控えた内需の鈍さが響きました。英自動車産業の18年の投資額は前年の半分近くに縮小しており、業界団体は英国の競争力低下に危機感を強めています。

英自動車生産9%減 18年、EU離脱など響く

(ロンドン=篠崎健太)

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