大村氏「愛知を前進させる」 オール与党体制で知事3選

2019/2/3 21:32 (2019/2/4 0:15更新)
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3日投開票の愛知県知事選で、現職の大村秀章氏(58)が新人の榑松佐一氏(62)を大差で破って3選した。2期8年の実績を訴え、選挙戦を優位に進めた大村氏。引き続き県政のかじ取りを託され、「愛知は常に前進し、進化し続けなければならない」と強調した。ただ「オール与党」体制の現職に革新系の新人が挑む構図は前回と変わらず、有権者の関心は高まらなかった。

当選を決め、万歳する大村秀章氏(中)(3日、名古屋市中区)

当選を決め、万歳する大村秀章氏(中)(3日、名古屋市中区)

午後8時すぎ、当選を決めた大村氏は名古屋市中区の選挙事務所に到着。拍手と歓声で迎えられ、「公約を着実に実行し、日本一元気な愛知をつくる」と意気込んだ。

その後の記者会見では、3期目を「大ジャンプする4年間にしたい」と強調。「(デジタル化やグローバル化など)時代の波に乗り遅れることなくしっかり取り組みたい」と、自動運転など次世代の技術開発の支援やスタートアップ企業の育成に注力する考えを示した。医療・福祉については「高齢社会のモデルとなるような仕組みを考えたい」と語った。

大村氏は選挙戦で県内54市町村すべてをまわり、2027年のリニア中央新幹線の開通を見据えたまちづくりを進め、愛・地球博記念公園(長久手市)への「ジブリパーク」整備などで県の魅力を高めると訴えた。与野党が相乗りし、各党の国会議員が応援にかけつけ、連合愛知や業界団体などからも推薦を得て戦いを有利に進めた。

「中京都構想」の枠組みや国際展示場の整備などを巡って名古屋市の河村たかし市長と対立したが、大村氏は記者会見で「県と市は良好な関係を築いてきた」と指摘。名古屋駅の再開発や県と市が共催する26年夏季アジア大会に向け、「ベクトルを同じくして全力で取り組みたい」と話した。

●落選の榑松氏「組織でかなわず」

支持者に頭を下げる榑松氏(3日、名古屋市中区)

支持者に頭を下げる榑松氏(3日、名古屋市中区)

落選した榑松氏は午後8時すぎに名古屋市内の選挙事務所に姿を見せた。集まった支援者からねぎらいの言葉や拍手を送られ、「組織の数、選挙部隊の数でかなわなかった」と敗戦の弁を述べた。

選挙戦では大村氏が掲げる大型開発を批判し、福祉や教育の充実を訴えたが、知名度不足などもあり及ばなかった。大村氏には「暮らしの問題に正面から向き合ってほしい」と求めた。

◆ジブリパーク・国際展示場…大型施策、どう結実
 現職の知名度を生かし、大村秀章氏が愛知県知事選で3選を果たした。今後4年でこれまでに打ち出した大型事業などの施策をどう結実させるか、手腕が注目される。
 選挙公約に掲げた12本の柱で、筆頭に位置づけた「ジブリパーク」の整備。施設の概要は示したが、事業費や集客見込みなどの計画策定はこれからだ。県の負担や事業の将来性を具体化し、理解を得る必要がある。
 製造業が集積する県内の経済は堅調だ。ただ自動車産業は「100年に1度の大変革期」を迎えている。自動運転や電動化など次世代技術の開発をいかに後押しするか。9月開業の県国際展示場への国際会議や大規模イベントの誘致も含め、「表明した施策をどうやって着地させるかが3期目の課題」(ベテラン県議)との声は多い。
 任期中に県の人口減が始まる可能性がある。少子化で支え手は減り、公約に掲げた認知症予防や健康寿命の延伸などの施策も重みが増す。限られた財源をバランスよく配分していくことが求められそうだ。

■投票率は35.51%、過去3番目の低さ

3日投開票の愛知県知事選の投票率は35.51%で、2015年の前回を0.58ポイント上回ったが、過去3番目の低さとなった。期日前投票率は9.86%で前回より2.02ポイント高かった。

07年と11年は50%を超えたが、前回は34.93%と伸び悩み、1995年の32.38%に次ぐ低さだった。「オール与党」体制の現職に革新系の新人が挑む構図は今回も続き、全体の投票率は微増にとどまった。

県選挙管理委員会などは投票率向上のため、告示前から投票を呼びかけたほか、大学や高校にも期日前投票所を設けた。有権者年齢の引き下げ後初めての県知事選だったことから若者への啓発活動にも力を入れてきた。

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