2019年3月19日(火)

人手確保手探り 新卒通年採用も 18年の四国4県求人倍率上昇

中国・四国
2019/2/1 20:33
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四国で人手不足感が強まっている。厚生労働省が1日発表した2018年平均の有効求人倍率は四国4県で1.55倍と17年比で0.08ポイント上昇した。総務省が同日発表した四国の完全失業率は0.9ポイント低下の2.2%だった。一方で就業率は地域別で北海道に次ぐ低さとなっており、主婦や高齢者らの就業率向上がカギとなりそうだ。

ことでんバスでは、運転士が慢性的に不足している(高松市)

「貸し切りバスの需要が伸びているのに、運転手の不足で受注を抑えている」。ことでんバス(高松市)の担当者は声を落とした。慢性的な人手不足で大型二種免許を持たない人材を採用し、免許取得を支援しているが、インバウンド(訪日外国人)の増加などに対応しきれずにいる。

四国4県の18年平均の有効求人倍率は各県とも前年を上回った。香川は1.79倍(上昇率は0.06ポイント)、愛媛は1.61倍(同0.10ポイント)、徳島は1.45倍(同0.05ポイント)、高知は1.27倍(同0.09ポイント)となった。

香川は1990年代前半に年平均の有効求人倍率が2倍を超える時期があったが、他3県は当時の水準を上回る。

また、雇用環境の改善で四国の完全失業率は低下傾向にある。総務省の労働力調査によると、リーマン・ショック後の09年には5.0%だったが、18年の今回は2.2%となった。17年との比較で0.9ポイント低下したが、これは地域別で最も大きい改善幅だった。

厳しい人手不足に、四国内の企業は危機感を感じている。医療システム開発のファインデックスは、20年春以降の入社から新卒通年採用を導入。入社タイミングは卒業後1年以内の4つの時期から選択できる。柔軟な採用により、留学を終えた学生や海外人材など多様な人材の獲得が可能になると期待する。

メディアを活用して事業内容を知ってもらい、人材獲得につなげようという動きも目立つ。鉄鋼添加剤メーカーの東洋電化工業(高知市)は18年11月から県内の3テレビ局でCMを流し始めた。同社は「まず知名度あげることが必要。実は身近なところで自社の素材が使われていることを伝えたい」と説明する。

人手不足の強まりとともに、18年の四国の就業率は56.3%と1.0ポイント上昇した。しかし全国の60.0%を下回っており、地域別では北海道に次ぐ低さだ。失業率が改善している現状を踏まえると、主婦や高齢者など非労働力人口へのアプローチが欠かせない。

取り組みは始まっている。人材派遣業などを手掛けるクリエアナブキは18年12月、託児所併設のオフィス「クリエ×ママスクエア高松」を高松市の社内に開設した。同事業を全国展開するママスクエア(東京・港)と連携した。子育て中の女性が子供と一緒に出社し、事務作業をこなす。

育児中の母親が、預け先に悩まされることなく働ける環境を整備するのが狙い。同社は高松市以外の中四国の都市でも展開する方針で、多様な働き方を広めていく。

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