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女性の就業率、50年ぶり5割超す 18年就業者87万人増

2018年の女性の就業率が全年齢ベースで51.3%となり、50年ぶりに5割を超えたことが総務省が1日発表した労働力調査で分かった。人手不足や育児と両立して働きやすい環境づくりが進んだことが背景にある。産業別にみると同年に増えた就業者の4割が宿泊・飲食と医療・福祉に吸収されている。日本全体の労働生産性を底上げするためにサービス業の改革が急務になりそうだ。

18年平均の就業者数は男女合わせて6664万人。比較可能な1953年以降で最多だった。50年前は農業や自営業など家業で働く女性が多く、就業率も高かった。

女性の就業者は2946万人で前年に比べて87万人増えた。増加数は男性(45万人)の2倍近い。年齢別に女性の就業率を見ると25~34歳が77.6%で前年に比べて1.9ポイント、35~44歳は75.8%で同2.5ポイントそれぞれ上がった。

女性の就業率は出産や育児を理由に30歳代で下がり、40歳代で再び上がる傾向があった。年齢層に分けてグラフを描くと「M字」になる現象だ。近年は仕事と育児を両立できる働き方が広がった結果、退職する女性は減り「M字カーブ」の解消が一段と進んだ。

18年は若年層の女性就業率も大きく上がった。15~24歳の伸びは3.9ポイントと年代別で最も高い。短時間勤務や未経験者を容認するなど人手不足でアルバイトの就労条件が良くなっていることが背景にある。求人情報大手のリクルートジョブズによると、18年12月の三大都市圏(首都圏・東海・関西)のアルバイト・パート募集時平均時給も1058円と過去最高だ。

産業別で女性の就業者が最も増えたのは宿泊・飲食サービス業だ。18年平均で260万人と前年に比べて20万人増えた。介護現場など医療・福祉で14万人増で続いた。

日本生産性本部の調査では、労働者が生み出す付加価値を示す労働生産性を就業者1人当たりでみると、15~17年平均の上昇率は物価変動の影響を除いて0.3%と、10~14年平均の0.6%から低下している。労働者全体でみると、金融業などから生産性の低いサービス業に就業先が移っていることが背景にあるとみられる。

介護や飲食などは他産業と比べ賃金も低い。SMBC日興証券の宮前耕也氏は「25~44歳の女性就業率(の上昇)は、早ければ20年代前半に限界を迎える」と話す。労働移動先のサービス業の生産性を高め、そこで働く人の賃金水準を上げることが今後の課題だ。

高齢者も含めて女性の就業率が5割に達したことは働き方改革が一定の成果を上げたことを意味する。ただ男性の7割とはまだ差が大きい。北欧諸国では15~64歳の女性の就業率が8割に達するが、同年齢層の日本女性の就業率は7割にとどまる、仕事と育児の両立支援などでまだ改革の余地がありそうだ。

65歳以上の就業率は24.3%、75歳以上では9.8%といずれも上がった。ただ健康寿命が伸び、働く意欲を持つ高齢者は増えているため、高齢者の労働参加もまだ伸びしろがありそうだ。

政府は70歳までの就業機会を確保するための法改正を検討している。高齢者の活躍には年齢ではなく、能力や意欲を評価する人事や賃金制度の見直しも欠かせない。

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