ホンダ、中国市場で「負けるもんか」の反転攻勢

2019/2/1 18:08
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ホンダが1日発表した2018年4~12月期の連結決算(国際会計基準)で、純利益は前年同期比34%減の6233億円だった。特に中国合弁会社を中心とする持ち分法投資利益が11%減の1696億円と、成長を支えてきた中国での苦戦が目立つ。

決算発表するホンダの倉石誠司副社長

18年前半に起きた看板車種のリコールを巡る問題を補えずに18年販売台数は微減で、トヨタ自動車に抜かれて日系メーカーの3位に転落した。

それでも足元での販売は復調し、19年4月には念願の新工場も稼働する。中国市場が縮小する中で、新工場の活用法が反転攻勢のカギを握る。

「景気減速下でも新車種の投入で18年を上回る販売を目指したい」。19年の中国販売見通しを問われた倉石誠司副社長は強気だった。18年の中国販売台数は143万2千台と前年比2%減。日産自動車(156万台)とトヨタ(148万台)に続く日系3位だった。

苦戦の原因は東風ホンダ(武漢市)で生産する多目的スポーツ車(SUV)「CR-V」に尽きる。18年にエンジン関連の不具合が発覚。当局がホンダのリコール案を受理せず、3~5月に販売停止に追い込まれた。

18年後半からは主力セダン「クライダー」や「インスパイア」といった新車を投入し、巻き返しを本格化した。主力セダン「シビック」は通年で20万台以上を売ったが挽回できず、6年ぶりに前年実績を下回った。

19年は将来がかかる重要な年だ。4月には東風ホンダの第3工場が稼働する。既存工場では能力を上回る操業を続けており、そこで訓練した人材を充てて素早く軌道に乗せる。新工場が稼働すれば中国でのホンダの公称生産能力は年12万台増え、125万台となる。

ただし中国市場は転換期に入った。18年の新車販売台数は17年比2.8%減の2808万台と28年ぶりのマイナス。逆風下での工場稼働となる。それでもホンダは強気だ。販売が落ち込むのは現地勢や米中貿易摩擦の影響を受ける米国メーカーだと語り「日系やドイツ車は伸びている」(倉石副社長)。18年12月と19年1月のホンダの販売台数はプラスとなった。

反攻のカギは東風ホンダの新工場の生かし方だ。いくら能力を増やしても400万台体制の独フォルクスワーゲン(VW)や米ゼネラル・モーターズ(GM)の背中は遠い。ホンダの新工場は電気自動車(EV)など電動車を視野に入れている。18年にEV生産を始めた別の合弁会社、広汽ホンダ(広州市)に続いて19年には東風ホンダもEV生産に乗り出す。

中国では各メーカーに一定比率のEVやプラグインハイブリッド(PHV)の生産を義務付ける新エネルギー車規制(NEV規制)が始まった。EVでは米テスラや現地勢が先行するが、世界市場の優勝劣敗は定まっていない。ホンダが先頭集団に入る余地はある。

電子商取引大手、アリババ集団系の企業と共同開発していた音声認識や決裁機能を備えたコネクテッドカー(つながるクルマ)も19年には実用化される見通しだ。仕込んできた一連の取り組みの成否が注目される。

成長が止まった中国市場で各社がパイの奪い合いを強めることは間違いない。かつてホンダは企業スローガンとして「負けるもんか」を掲げていた。中国での反転攻勢には、この言葉が示すような強い意思が必要だ。

(古川慶一)

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