2019年6月17日(月)

商業捕鯨、和歌山・下関など拠点 水産庁が自民に計画案 年間捕獲頭数に上限

2019/2/1 20:00
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水産庁は1日、7月に再開する商業捕鯨の計画案を明らかにした。山口県下関市を基地として沖合操業を実施するほか、和歌山県太地町など6カ所を拠点に沿岸操業をする。クジラの捕獲頭数に毎年上限を設けるよう省令を改正する。資源の保護と利用の両立を図る姿勢を明確にする方針だが、捕鯨再開には海外からの批判も根強く、理解が広がるかは未知数だ。

自民党が同日開いた捕鯨対策特別委員会・捕鯨議員連盟合同会議で「再開後の捕鯨の姿」の案を示した。

母船式の捕鯨は沖合で1~2カ月操業し、ミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラをとる。沿岸操業は北海道網走市、同釧路市、青森県八戸市、宮城県石巻市、千葉県南房総市、和歌山県太地町を基地とし、日帰りでミンククジラなどを捕獲する。

クジラの乱獲を防ぐため、漁業の種類やクジラの種類、水域別に年間の捕獲頭数の上限を設ける。捕獲枠は100年間とり続けても資源が減少しない水準として国際捕鯨委員会(IWC)で採択された計算方法を使う。

政府は昨年12月26日、反捕鯨国との意見対立に解決のメドが立たないとして、IWCから脱退すると決めた。同日の会合では外務省が脱退後にオーストラリアやニュージーランド、英国など6カ国・地域から日本を批判する意見表明があったと報告した。ただ外務省は「もっと激しい反応も十分覚悟していたが、比較的抑制されていた」と総括し、深刻な外交問題には発展していないとの認識を示した。

捕鯨への立場は主要国で異なる。ノルウェーやアイスランドはIWCに加盟しながら、捕鯨中止(モラトリアム)に異議や留保をして商業捕鯨を実施しており、2016年にノルウェーはミンククジラを591頭、アイスランドは同46頭をとっている。先住民のための例外もあり、米国のイヌイットやロシアのチュクチなどのための捕獲枠もある。今回の日本のIWC脱退について、米国やドイツなどは公式のコメントを出していない。

東京大学大学院農学生命科学研究科の八木信行教授は反捕鯨国の理解を得るには「多様な価値観を認め合い、クジラの捕獲を伝統的に続けてきた地域社会を置き去りにしないためなど、公益性を強調する視点も重要だ」と指摘している。

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