[FT・Lex]LVMH、好決算で先行きに期待

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2019/2/1 12:13
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Financial Times

映画「ブラックパンサー」で悪役を演じたマイケル・B・ジョーダン氏は、1月27日の全米映画俳優組合賞の授賞式で、カラフルな花柄のハーネスを着用した。

ファッション誌「ヴォーグ」は、勇敢で、あえてリスクを冒す男性のファッションだと論評した。この騒ぎで、このハーネスをデザインした仏高級ブランドLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンのアーティスティック・ディレクター、ヴァージル・アブロー氏に一段と注目が集まった。彼はデザインだけでなく、マーケティングの才能でも知られている。

ルイヴィトンの店舗の前で同社の商品袋を携える消費者=ロイター

ルイヴィトンの店舗の前で同社の商品袋を携える消費者=ロイター

LVMHのデザインとプロモーションの天才であるアブロー氏の存在感は、同社が29日発表した2018年の好決算でも示された。中核事業であるファッション・皮革製品部門の売上高が10~12月期に17%伸び、予想を大きく上回った。通常は慎重なベルナール・アルノー最高経営責任者(CEO)も意気軒高だった。同社は今年、幸先のよいスタートを切った。

高級ブランドをおおっていた暗雲の一部がこれで晴れた。LVMHの株価は7%上昇、「グッチ」を傘下に持つライバルの仏ケリングも上昇した。それでも、高額消費・サービスを提供する世界80社で構成する株価指数「S&Pグローバルラグジュアリー指数」は12%安と、過去6カ月間、下げ幅がユーロネクスト・パリの株価指標であるCAC消費財指数よりも3ポイント大きかった。

世界高級ブランドの予想PER(株価収益率)は15.5倍と割安で、過去10年間の平均を10%下回っている。

主な理由は、中国の消費減速についての不安だ。中国は世界売上高の3分の1、業界の最近の成長の約半分を占めている。

神経質な投資家は、経済の失速によって需要が減少することを懸念している。楽観的な向きは、「自撮り」で知られる20~30代のミレニアル世代は、寛大な年長者から支援を受けて、ペースはやや鈍るものの、高級品への支出を続けると予想している。

LVMHの決算から判断する限り、楽観派の見方が優勢だ。中国でのファッション・皮革製品部門の売上高の伸びは実際、10~12月期に加速した。

ただ、投資家はライバルや弱いブランドについて、同様の推測をするのには慎重であるべきだ。伊サルヴァトーレ・フェラガモも29日に18年の売上高を発表したが、現行の為替相場で3.4%減少した。業績はまだ回復途上にある。

高級ブランドでは勝者と敗者の明暗がはっきりと分かれるだろう。LVMHのように花形デザイナーがいて、マーケティングに多額の支出をしている企業は、市場占有率を伸ばすと予想される。

ジョーダン氏の服装が多くの人にアピールするかどうかは別にして、株主の間ではLVMHの人気は衰えそうにない。

(2019年1月30日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2019. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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