日本勢は身構え 造船業に再編圧力、再燃も

2019/1/31 19:25
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世界上位2社の統合に対し、国内の造船会社からは「価格競争力の強い会社が誕生することは脅威」(重工大手)と身構える向きが多い。日本勢が力を入れる液化天然ガス(LNG)運搬船などで韓国勢の安値攻勢に苦しんでいる。巨大なライバルの出現に「海外勢も巻き込み再編機運が高まる可能性もある」との指摘もある。

韓国勢は規模を生かし、同じ設計の船をまとめて受注することで、資材費などのコストを落とす「ロット契約」を得意とする。コンテナ船やタンカーなどの大型船を10隻以上連続で建造し、数カ月の間にまとめて納入することも珍しくない。世界市場で強い力を持つギリシャの海運会社などから受注を獲得してきた。

日本勢も昨年12月、国内最大手の今治造船が久しぶりに超大型タンカー4隻をギリシャのナビオスグループから受注した。ただ短納期で多数の船を建造できる設備や人員が必要となるため、手狭な国内の他の造船所では手掛けることができない。

国内では13年にIHIやJFEホールディングスの造船部門が統合し、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)が誕生した。だが同年に川崎重工業と三井造船(現三井E&Sホールディングス)が経営統合を断念すると、それ以降は大規模な再編は起きていなかった。

米中貿易摩擦で海運需要が伸び悩み、円高傾向も強まる中、造船各社の危機感は強まっている。今治造船は商船三井などから南日本造船(大分県臼杵市)を買収。三井E&S造船は専業大手の常石造船と提携、4月に中国民間最大手の揚子江船業と合弁会社を立ち上げる。

三菱重工業は受注減を見越し、商船専用の香焼工場(長崎市)で設備を縮小した。川崎重工の金花芳則社長は「このまま大型LNG船の受注がなければ、コストを抑えるため中国の造船子会社での建造も検討せざるを得ない」と語る。圧倒的な規模を持つ造船会社の誕生で、膠着状態が動き出す可能性がある。

日本勢を追い詰めているのはLNG船の受注減だ。川崎重工業がアジアで初めて建造し、長らく日本の得意船種だったが、15年に15隻受注したのを最後にゼロが続く。他の商船より付加価値が高く収益の柱だっただけに、「韓国勢が安値で受注し市場を独占している」と話す。

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