国内スタートアップ投資、18年は金額最高も件数減

2019/1/31 17:39
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国内スタートアップ企業への投資を選別する動きが進んでいる。ジャパンベンチャーリサーチ(JVR、東京・港)が31日発表した2018年のスタートアップ資金調達額は前年比22%増の3848億円と過去10年間で最高となった。ただ資金調達に成功した企業数は16%減り、4年ぶりの低水準に落ち込んだ。大企業などが有望企業に投資を集中させている。

スマートフォンの株式投資アプリを手がけるフォリオは18年の資金調達額2位だった

18年の資金調達額(速報値)は6年連続で増加した一方で、調達社数(金額不明を含む)は前年の1619社から1368社に減少。この結果、1社あたりの平均調達額は3割増の3億2810万円と大型化している。

JVRの森敦子執行役員は「ミドル、レイターと呼ばれる事業拡大期の企業への投資が集中している。大企業が新規分野への投資をスタートアップと一緒にやるという流れが主流になりつつある」と指摘する。

例えば18年の調達額首位だった配車アプリ開発のジャパンタクシー(東京・千代田)はトヨタ自動車NTTドコモなどから総額123億円を調達した。金融とIT(情報技術)を融合したフィンテック分野ではネット証券のフォリオ(東京・千代田)、会計ソフトのfreee(東京・品川)がLINEなどから、それぞれ総額60億円を超える資金を調達した。調達額上位10社のうち5社をフィンテック勢が占めた。「分野別の陣地取りが大企業も巻き込んで加速している」という。

ただ投資採算よりも事業シナジーを重視する大企業の資金が増えたことで「スタートアップの企業価値が割高になっている」(大手ベンチャーキャピタル)との指摘も聞かれる。米中貿易戦争などを背景に世界景気が不透明感を増しており、19年はスタートアップ投資の選別傾向が一段と強まる可能性もある。JVRの森氏は「大きく落ち込むことは考えにくいが、投資家が保守的な姿勢になりうる」とみている。

(企業報道部 鈴木健二朗)

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