韓国現代重工が大宇造船買収へ 造船世界首位と大手
大宇株主の産業銀行と「条件つき」合意
【ソウル=山田健一】造船世界最大手の韓国・現代重工業が、同大手の韓国・大宇造船海洋を買収する方向で最終調整に入った。大宇造船の筆頭株主である韓国政府系の韓国産業銀行が31日、現代重工と「条件つき」で買収に合意したと発表した。中国勢や日本勢との競争が激しくなるなか、経営統合によって圧倒的な競争力を持つメーカーをめざす。

産業銀行は約56%の大宇造船株を保有する。発表では、現代重工グループの持ち株会社と同行が新会社を設立した上で、同行が保有する大宇造船株を新会社に譲渡する。同行は新会社が発行する新株を受け取る。新株の価値は2.1兆ウォン(約2060億円)を見込む。
合意を「条件付き」とした理由について、産業銀行は「韓国同業のサムスン重工業にも買収する意向があるかどうかを確認する。条件の良い方に決める」と説明した。
ただ、サムスン重工は海洋プラント事業の不振で赤字が続いており、現代重工を上回る条件を出すことは難しいとの見方が多い。