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100球制限の是非は? 新潟県高野連が投じた一石
スポーツライター 丹羽政善

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2019/2/4 6:30
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図2)投球障害のペンタゴン 長期選手育成

図2)投球障害のペンタゴン 長期選手育成

図2の解説 小学生投手から高校生投手までの長期選手育成をペンタゴンで考えてみる。前思春期とは第2次性徴がまだ始まっていない段階で、肘には軟骨が多く故障しやすい。このため5つの要素をすべて40点と設定。これが思春期に入ると肘の成熟もかなり進み、投球動作も上手になり、投球数や投球強度、コンディショニングのレベルもやや上げられる。さらに成熟して成人期になると肘の成長軟骨も消失して大人の肘になり、すべての項目の点数を上げられるようになる。

「こうしたレーダーチャートを選手自身がつくることによって、選手は必要な知識を得ることが求められる。自己決定することで内発的動機づけも高まり、パフォーマンスとリスクの両立を学ぶことができるようになる」と馬見塚さん。

「指導者もさまざまな状態の選手に均一の負荷を与えなくても選手育成が可能となります」

結局、投球制限だけでは誤解を生みかねない。普段から投球練習を制限し、試合で疲労から投球フォームの肘が下がり始めているのに100球に達していないからと、監督も選手も問題ないと勘違いしたら、どうなるか。

前出の部長はこんなことを言っていた。

「100球制限がルール化されたら、100球までの過程を考え、その日どうやって100球に到達したのか、どうすればもっと効率的だったかを(選手は)考えるようになると思います。残りのスタミナをどう使うか、どのくらい力を入れて投げるか。時間や数が無制限だと、逆に考えるスピードが速くならないかなとも思うんです。相手打線、天候、球場、その日の自分、いろんなことを加味して100球をイメージするはずです」

それはひいては、将来にも生かされるかもしれないという。

「企業に当てはめれば、結局何かしらの締め切りにより動き、その時間内で最高のパフォーマンスを出さないといけない。その力は生徒には必要だと思います」

生徒はそこから学ぶこともあるということだが、もちろん、今回の投球制限はそれを意図したものではない。

ルール化の前に一度、状況を整理する必要がある。それを促すことになるなら、新潟県高校野球連盟が一石を投じたことは、大きな意味を持つ。

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