橋脚に損傷、対応先送り 南海脱線であわや川に転落

2019/1/31 10:00
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南海電鉄の普通電車が2017年10月、台風接近の際に大阪府内の橋で脱線した事故があり、運輸安全委員会は31日、大雨による増水で付近の川底が削られ、橋脚が傾いたのが原因とする調査報告書をまとめた。橋脚には、水による浸食を防ぐための「根固め工」と呼ばれる部分に損傷があった。南海も事故前から把握していたが、橋の強度に問題がないと判断し、補強工事を先送りにしていた。

ゆがんだ南海本線の線路を調べる鉄道事故調査官ら(2017年10月、大阪府内)=共同

電車は橋脚の傾きによりレールがゆがんだ部分を通過して脱線。再び線路に戻り停車したが、安全委の担当者は「橋から転落の大惨事になる可能性があった」と述べた。

報告書によると、現場の橋は1918年に完成し、根固め工は54年ごろに施工された。付近では、川の流れが2008年ごろから変わって今回傾いた橋脚付近に集中し、川底が低くなっていた。この影響で、根固め工は徐々に傷みだし、南海も損傷があることをつかんだ。

南海では2年に1度、橋脚の検査を実施。根固め工が点検項目に入っておらず、13~17年にかけての検査では損傷があると分かっていながら、橋脚は健全と判定。川底が低くなっているかどうかの項目も「無」とされた。

12年に住民から損傷があると連絡があったほか、14年には同社の巡回でも損傷を確認したが、一時は計画された補強工事は、緊急性が認識されず、実施されなかった。

事故は17年10月22日午後4時40分ごろ、南海本線樽井―尾崎間で発生。乗客約250人の4両編成の普通電車が脱線した。運転士は橋の手前でレールの異常に気付き、ブレーキをかけたが間に合わなかった。乗客5人がけがを負った。〔共同〕

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