2019年8月25日(日)

「コスト全面見直し」サイバーの藤田社長 業績下方修正

2019/1/30 22:24
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サイバーエージェントは30日、2019年9月期の連結業績見通しを下方修正すると発表した。主力のインターネット広告とゲームの減速が要因だ。この2事業で稼いだ資金をネットテレビ「アベマTV」に注ぎ込み、主力事業に育てようとしている藤田晋社長。「コストを全面的に見直す」としたが、キャッシュカウ(カネのなる木)を早く復調させなければ、藤田社長が描く将来像の根本が揺らぐ。

19年9月期の営業利益は前期比34%減の200億円となる見通し。従来予想から100億円引き下げた。売上高も5%増の4400億円と、従来予想を300億円下回る見通しだ。業績予想の下方修正は「17年ぶり」(藤田社長)だという。

藤田晋社長は「全事業でコストを見直す」と語った(30日、東京・千代田)

藤田晋社長は「全事業でコストを見直す」と語った(30日、東京・千代田)

広告事業では「売れ行きの良さそうな業種の広告主を開拓できなかった」(藤田社長)という。18年10~12月期に前年同期比2~3割の売り上げ増を期待していたが、10%増程度にとどまった。

18年10~12月期のスマートフォン(スマホ)向けゲーム事業の営業利益は同43%減の31億円だった。9月に発表した新作「ドラガリアロスト」の有料ユーザーが期待していたほど伸びなかった。藤田社長は「売り上げを上回るペースで宣伝広告にコストをかけ過ぎた」と反省する。

同社はこれまで広告とゲームの両事業で稼ぎ、アベマTVに積極投資してきた。将来的にはアベマを含むメディア関連事業で売り上げの半分程度を稼ぐというのが、藤田社長が思い描く将来像だ。その実現のために赤字は承知で毎年200億円ほどを制作費などに投じている。

藤田社長は30日の記者会見でも「アベマTVに引き続き200億円ほど投資する」と積極投資の方針を継続する考えを示した。一方、「(アベマTVの営業損益の)マイナス幅を減らす必要がある」と軌道修正の必要性も認めた。制作費などのコストを全面的に見直す方針で「ぜい肉を落とす必要がある」と強調した。

米アップルの10~12月期決算が減収減益となり、30日にはシャープなども業績を下方修正した。米中貿易戦争の影響で、世界的に景気が減速する懸念が強まっている。広告市場は国内総生産(GDP)の成長率に比例すると言われる。ネット広告へのシフトは今後も進むが、広告市場全体が縮小すれば、ネット広告の成長率も鈍る。

スマホゲームもバトルロイヤルゲーム「荒野行動」など世界でヒットしている中国製のゲームが日本に続々上陸するなど競争環境は厳しくなっている。ネット広告、ゲームともに事業環境が楽観視できないなか、コストの見直しだけでなく、トップラインを伸ばす施策も打ち出していかなければ縮小均衡に陥り、アベマTVを支える利益を稼ぎ出すことは難しくなる。

(企業報道部 北戸明良)

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