2019年9月21日(土)

アリババ営業益3%増、10~12月 通販けん引

2019/1/30 22:15
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【上海=松田直樹】中国ネット通販最大手のアリババ集団が30日発表した2018年10~12月期決算は、営業利益が前年同期比3%増(前期は25%増)の267億元(約4300億円)だった。18年11月の大規模セール「独身の日」で過去最高の取引額を記録するなどネット通販事業がけん引した。一方で動画配信や買収企業の収益改善が遅れ伸び率は鈍化した。

18年11月の大規模セール「独身の日」では過去最高の売り上げを記録した

売上高は41%増の1172億元だった。純利益は330億元。前年同期(240億元)に比べ37%増となった。

主力のネット通販事業は堅調だった。独身の日の取引額は過去最高の2135億元(前年比26%増)となり業績を押し上げた。ネット通販を利用する国内のユーザー数も6億3千万人で前年同期比23%増となった。

一方でネット通販事業以外は苦戦が目立つ。動画配信などを含むデジタルメディア事業の営業損益は70億元の赤字となった。18年4月にネット出前サービス「餓了麼(ウーラマ)」を買収したが赤字が続いているもようだ。生鮮スーパーの出店にも力を入れるが投資が膨らみ重荷となったほか、クラウド事業でも赤字が続く。ネット通販に次ぐ成長事業をつくろうと投資を続けているが、いずれも苦戦が続いている。

アリババの利益のほとんどはネット通販が稼いでいるが、近年は市場の飽和感も目立ち、以前のように大きな伸びは見込めなくなっているほか、中国経済の動向も大きな懸念材料だ。

調査会社の奥維雲網が調べた独身の日の家電の取引額の伸び率をみると、テレビ(前年比21.8%減)、冷蔵庫(同6.7%減)、エアコン(同0.3%減)など大型家電は軒並み苦戦した。必要なもの以外は買いたくないという消費者の心理は鮮明で、財布のひもは固くなりつつある。

さらに独身の日の取引額が伸びることは、価格の安いセール時に買いだめをしようという「需要の先食い」との指摘もある。実際に売り上げを伸ばしたのはおむつや化粧品などの消耗品のまとめ買いで、アリババの19年1~3月期の業績に影響を及ぼす可能性もある。

中国の百貨店やネット通販の売上高を合計した社会消費品小売総額は18年通年で前年比9.0%増となり、伸び率が2桁を割り込むのは03年以来15年ぶりだ。貿易戦争の影響で景気の先行きに不安を感じる中国人は多く、日常生活でも節約志向が広がる。

アリババの急成長は好調を維持してきたネット通販が支えてきた。ただ、今後は「市場の飽和」と「中国経済の減速」という2つのマイナス要因と向き合いながら、苦戦する新規事業をいかに立て直すかが課題だ。

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