2019年5月21日(火)

海藻「アカモク」を名物に 高栄養に着目し商品開発
朝日共販と愛媛大

大学
2019/1/31 5:00
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愛媛県伊方町で漁船に巻き付くなど厄介者とされる海藻「アカモク」を新たな名物に育てる取り組みが始まった。高い栄養価に着目し、海産物加工販売の朝日共販(同)がアカモクのドレッシングなど愛媛大学と共同開発した4商品を町内の道の駅などで販売を開始した。今後は大手スーパーの店頭などにも並べ、アカモク関連で年間2億円の売上高を目指す。

アカモクを使った加工食品を朝日共販と愛媛大の学生らが開発した(1月、松山市)

「味がしっかりしていてお茶漬けにしたらおいしそう」「酒のつまみにもぴったり」。愛媛大の松山市内のキャンパスで1月下旬、アカモクを使った加工食品がお披露目された。

アカモクはモズクに似た海藻で日本の沿岸に広く分布する。東北の一部では食用とされてきたが、漁船や素潜りの妨げになることから敬遠されていた。そんな厄介者が最近、健康食品として注目を集めている。ミネラルや食物繊維が豊富に含まれるほか、海藻のネバネバ成分として知られる「フコイダン」と「フコキサンチン」が、血中コレステロールの抑制や脂肪燃焼の促進など、生活習慣病予防に効果があるとされるからだ。

愛媛大大学院農学研究科の菅原卓也教授らによる研究では、マウスにアカモク抽出物を配合した飼料を与える実験で、花粉症やアレルギー性鼻炎の症状を顕著に抑制する効果が確認された。菅原教授は「(抗アレルギーの)保健機能食品の素材としても可能性を感じる」と期待する。

朝日共販と愛媛大の学生17人は、2018年春から商品開発に向けた取り組みをスタート。学生が伊方町を訪れ、地元漁師の意見を聞くなど商品化のアイデアを練った。

開発したのはサラダ用ドレッシング、ネバネバを軽減したつくだ煮、子どもでも食べやすいふりかけ、おつまみにも合うラー油の4商品。参考販売価格はいずれも500~600円で、朝日共販直販所や伊方町内の道の駅で扱っている。今後は松山空港などでの販売も予定する。同研究科1年の河野美帆さん(24)は「おすすめ料理も提案している。アカモクを知らない人にも気軽に食べてもらいたい」と話す。

朝日共販はシラスの加工販売で知られるが、2年ほど前からアカモクに注目。18年には八幡浜漁業協同組合(愛媛県八幡浜市)からの購入や自社グループの漁師による収穫で250トンが確保できたという。18年3月には約3000万円を投じ本社工場に加工ラインを整備。アカモクを湯通しした商品を販売している。

2月にはイオン系のスーパーにプライベートブランド(PB)商品としての供給を始める。大手コンビニと組んでの食品展開も3月に計画する。花粉症シーズンに向けて販売を本格化し、今後1年で関連商品の売上高2億円を目標とする。

伊方町は人口9400人ほどで高齢化による人口減少が進む。立地する四国電力伊方原子力発電所1、2号機の廃炉により、地域経済の先細りも懸念される。福島大朝社長は「アカモクをシラスに続く地域資源の柱に育てたい。地元の雇用創出にもつながれば」と力を込める。(棗田将吾)

朝日共販 石材や漁業の福島産業がシラスの加工販売会社として1995年に設立。佐田岬周辺で自社で水揚げしたシラスを加工する鮮度が強み。カニの加工販売も手掛ける。イオンや生活協同組合など全国に販路を持ち、2019年3月期の単体売上高は前期比1割増の65億円を見込む。

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