2019年5月23日(木)

腸内環境が認知症に影響? 国立長寿研が分析

2019/1/30 19:11
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国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)は30日、腸内の状態が認知症に強く関連があるとする論文を発表した。認知症の人は腸内に「バクテロイデス」という細菌が少なく、認知症でない人は多い傾向があった。同センターは「食生活や栄養環境の面で、認知症のリスクを減らす糸口が見つかるきっかけになる可能性がある」と話している。

調査は東北大、久留米大などと共同で手掛けた。16年3月~17年3月に同センターもの忘れ外来で受診した男女180人を対象に、便に潜む細菌のDNAを抽出し、腸内細菌の集合体「腸内フローラ」の構成を解析した。有効なデータを得られた69~81歳の128人分について認知症の発症状況と照合した。

その結果、認知症の人はバクテロイデスが少なく、種類不明の細菌が占める割合が多いことが判明。年齢や性別の影響を除いた上で、腸内フローラが認知症発症に与える影響の度合いを解析したところ、バクテロイデスが多い人は、そうでない人に比べて罹患(りかん)率が約10分の1になった。バクテロイデスが少なく種類不明の細菌が多い人はそうでない人に比べ罹患率が約18倍だった。

腸内細菌を巡っては、心疾患や糖尿病、肥満に与える影響が指摘されている。認知症発症との因果関係は不明だが、腸内の細菌状態が脳の炎症を引き起こす可能性が考えられるという。同センターはメカニズムの解明に向けて研究を続ける。

同センターの佐治直樹もの忘れセンター副センター長は「認知症の早期発見や予防を考える上で、腸内の細菌状態が目安になる」と研究の意義を話した。

論文は同日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツ(電子版)に掲載された。

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