2019年2月22日(金)

日産ゴーン元会長、逮捕後初のインタビュー
【イブニングスクープ】

ゴーン退場
自動車・機械
社会
2019/1/30 17:00
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会社法違反の特別背任罪などで起訴された日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(64)が30日、勾留先の東京拘置所(東京・小菅)で日本経済新聞のインタビューに応じた。中東の知人側への巨額送金について「必要な幹部が(決裁に)サインした」とするなど改めて違法性を否定し、検察側との主張の食い違いが鮮明になった。(NIKKEI ASIAN REVIEWに英文記事を掲載しています「Ghosn says 'plot and treason' led to arrest」)

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東京拘置所で取材に応じるゴーン元会長(イラストはデザイン編集部・萩原始)=面会した記者の説明を基に作製しました

東京拘置所で取材に応じるゴーン元会長(イラストはデザイン編集部・萩原始)=面会した記者の説明を基に作製しました

日産と仏ルノーの経営統合案について、2018年9月に日産の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)と協議し、持ち株会社方式を検討していたことも明かした。

18年11月19日の最初の逮捕以来、ゴーン元会長が報道機関の面会に応じるのは初めて。約20分間、英語でのやり取りに答えた。

ゴーン元会長は面会で、自身が使途を決められる「CEO予備費」を使ってサウジアラビアの知人側に約12億8千万円を支払わせたとされる特別背任罪の起訴内容について「他地域でも同じように予備費からインセンティブを支払っているが、問題視されていない」と主張。「予備費はブラックボックスではなく、必要な幹部がサインをしている」とし、正当な支出だったと強調した。

これに対し、日産の中東担当幹部は東京地検特捜部の聴取に「必要のない支出だった」などと証言しているもよう。特捜部はこの支出について、知人がゴーン元会長の信用保証に協力した謝礼などの趣旨だったと判断している。

ゴーン元会長は面会で、2度の保釈請求が認められず勾留が70日を超えていることに「なぜ勾留が続いているのか理解できない」「証拠は日産がすべて持っている。どうやって証拠隠滅できるのか」と不満を表明。「私は逃げない。しっかりと(法廷で)自分を弁護する」と述べた。

日産とルノーの経営統合案を巡っては、日産の西川社長に「昨年9月に話した」と説明。統合構想は「1つの持ち株会社の傘下で、(それぞれの会社が)事業運営の独立を確保する内容だった」とし、ルノー、日産、三菱自動車を持ち株会社方式で経営統合させる計画が社内で進行していたことを明らかにした。

自身の逮捕につながった日産の社内調査は「策略で反逆だ」と主張。自身が進めていたルノーとの経営統合に反対する日産内の一部グループと関連していたことは「疑いようのないことだ」と話した。

ルノー、日産、三菱自のアライアンス(企業連合)の将来については「推測を述べることはできない」と言及を控えた。

健康状態を尋ねると「大丈夫だ」とし、現在の自らの状況について「人生山あり谷ありだ」と述べた。終始、疲労や動揺は見せなかった。

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ゴーン元会長は18年11月に特捜部に逮捕され、これまでに会社法違反(特別背任)と金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で起訴された。

逮捕前、ルノー大株主の仏政府はゴーン元会長に対し、ルノーと日産の関係を「後戻りできない関係」にするよう求めていた。仏政府は逮捕後にも日本政府関係者に日産とルノーを経営統合させたい意向を伝えているが、西川社長は「今は(統合などの)形態を議論する時ではない」としている。

日産はゴーン元会長の逮捕を受けて18年11月に会長職と代表権を解いた。4月中旬の開催を検討する臨時株主総会で取締役からも解任する見通しだ。ルノーでは1月24日付でゴーン元会長が会長兼CEOを退任し、仏ミシュラン出身のジャンドミニク・スナール氏が後任会長に就任した。

三菱自を含む3社連合は31日、オランダ・アムステルダムでトップ会談を開く。ルノーのスナール新会長と日産の西川社長が初めて対談するとみられる。

裁判所はゴーン元会長について家族や事件関係者を除く一般の面会を禁止しておらず、本人の同意を得て面会した。

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