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若年層を重視する安倍政権(大機小機)

2019/1/30 16:30
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通常国会が始まった。安倍晋三首相は施政方針演説で、全世代型社会保障や教育無償化に力点を置いた。いずれも若年層に光を当てたものだ。

なぜ首相が若年層を重視するのか。ひとつ考えられるのは、若年層での内閣支持率や自民党支持率の高さだ。日本経済新聞の直近の世論調査で参院選の投票先を聞くと、18~39歳は自民党が50%なのに立憲民主党は5%どまり。

内閣支持率も18~39歳は6割台で不支持率の3倍。60歳以上の支持と不支持が4割台で拮抗するのと対照的だ。

若年層の政権支持の背景と思われるのは、生活に対する満足度だ。内閣府の調査によれば、20歳代の生活満足度はバブル期の1986~88年には平均で65%あまりだったが、直近の2016~18年には80%を上回った。30歳代も同様な傾向を示している。

一方、60歳以上の満足度は30年前に比べわずかだが低下した。その結果、今や若年層の生活満足度が高齢層を上回る逆転現象が起きている。

人生百年時代を迎え、定年後の生活に不安をおぼえる高齢者も多い。半面、就職氷河期を我が事として経験した若年層は、就職環境の好転を実感しているといえよう。

かくて若年層は安倍政権のコア支持層となっているが、経済成長というアベノミクスの目標からすると、実は厄介な問題を投げかけている。消費離れを起こしているのだ。

内閣府「日本経済18~19(ミニ経済白書)」をみよう。39歳以下の2人以上の勤労者世帯は、平均消費性向が88~92年の約74%から、直近の13~17年では約67%に低下している。年金など定年後の生活に不安が語られるなかで、若い世代まで財布のヒモを締めているようだ。

もうひとつ若年層の消費を圧迫するのが住宅ローンだ。39歳以下の世帯の持ち家比率は90年の43%から17年には58%まで高まった。家という資産を持つことで若年層は現状維持の意識を高めた。半面、ローンの増加で、若年世帯の純金融資産は平均でマイナス521万円、つまり負債超過になっている。これでは消費が盛り上がるべくもない。

首相は賃上げと並んで、全世代型社会保障や教育無償化を打ち出した。問題意識は理にかなっている。焦点は政策手段の妥当性。与野党に期待されるのはがっぷり四つに組んだ論戦である。

(和悦)

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