2019年2月23日(土)

アップル、中国発のスマホ不振 19年も減収避けられず

ネット・IT
北米
2019/1/30 9:48
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【シリコンバレー=中西豊紀】米アップルが29日発表した2018年10~12月期決算は、売上高が前年同期比5%減の843億1000万ドル(約9兆2200億円)だった。主力商品である「iPhone」の中国販売が想定よりも落ち込み、9四半期ぶりに前年実績を割り込んだ。19年1~3月期も前年同期比で減収を予想しており、不振が長びく可能性が出てきた。

地域別の売上高は香港と台湾を含む中華圏が27%減の132億ドルとなり、6四半期ぶりに減少に転じた。米国や欧州、日本など中華圏以外の地域の売上高の合計は711億ドルと前年同期比1%増。中国事業の不振が業績全体の足を引っ張っており、売上高全体に占める中華圏の比率も20%から16%に落ち込んだ。

製品別ではiPhoneの落ち込みが鮮明だ。売上高は520億ドルと15%の減少。売上高全体に占めるiPhoneの比率は69.2%から62%にまで縮まった。同社は今回の決算からスマートフォン(スマホ)出荷台数の開示を取りやめたが、昨秋以降に発売したばかりの新型機種「XR」や「XS」の販売が想定を下回ったとみられる。

同日のアナリスト向け決算会見でティム・クック最高経営責任者(CEO)は「かつてと比べて顧客が古いiPhoneを長く保有し買い替えなくなった。それに新興国を中心としたマクロ経済の変調が加わった」と10~12月期を総括。中国を震源とするスマホ事業の低迷を改めて認めた。

売り上げ低迷は今年もまだ続く見通し。アップルが同日開示した19年1~3月期の業績予想は、売上高が前年同期比3~10%減の550億~590億ドルにとどまるとした。2四半期連続で減収になる理由として昨年から続く他国通貨に対してのドル高と新興国での景気減速をあげた。

18年10~12月期の純利益は0.5%減の199億6500万ドルだった。研究開発費や販売関連費用が膨らみ利益を圧迫した。最終減益は8四半期ぶりだ。

同社は足元の苦境をスマホ向け音楽配信などサービス事業の拡大で挽回しようとしている。18年10~12月期の決算での同事業の売上高は109億ドルと19%の伸び。利益率は6割に達している。クックCEOは「10年には80億ドルだったサービス事業の売上高は18年には410億ドルにまで増えた」と説明。脱ハードの戦略が立ち上がっていることを訴えた。

ただ、iPhoneのシェアが落ち込めば、それを土台としたサービスを使うユーザー数も伸び悩む。調査会社カナリスの推計では18年通年のスマホの世界シェアで中国の華為技術(ファーウェイ)が14.8%。アップルのシェアは15.3%と2位だが、伸び率ではファーウェイが上を行く。

アップルは1月2日付で公表した投資家向けの書簡の中で、中国の経済減速を理由に18年10~12月期の業績予想を下方修正していた。会見を受けた時間外での同社株の取引は一時6%上げる場面があった。悪材料の出尽くしが好感されたもようだ。

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