不適切統計、首相「見抜けず責任」厚労相の罷免拒否

2019/1/29 17:00 (2019/1/29 23:00更新)
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通常国会で焦点となる毎月勤労統計の不適切調査を巡る論戦が始まった。安倍晋三首相は29日の参院本会議で、問題が発覚して初めて国会で与野党の質問に答えた。「長年にわたって誤った処理が続けられ、それを見抜けなかった責任を重く受け止めている」と自身の責任を認め、改めて陳謝した。

野党は統計を基にしたアベノミクスを非難した。立憲民主党の風間直樹氏は「毎勤統計はアベノミクスが成功している根拠とされてきた」と指摘。共産党の吉良佳子氏は賃金上昇の根拠が崩れたとして10月の消費税増税の見送りを迫った。

首相は「再集計で下方修正した数値のみを示してアベノミクスの成果だと強調したことはない」と反論。連合が集計した春季労使交渉の賃上げ率を例に挙げ「現時点で所得環境は着実に改善しているとの判断に変更はない」と語り、経済政策による景気判断の正当性を主張した。

風間氏は根本匠厚生労働相が昨年12月に問題を把握していながら毎勤統計の確報値を公表した点や予算案の閣議決定を取りやめなかったことを問題視。「国民生活に多大な影響が及ぶ騒ぎとなった」と厚労相の罷免を要求した。首相は「不足した給付の速やかな支払いや徹底した検証、再発防止に引き続き全力で取り組んでほしい」と述べ、罷免には応じない考えを明らかにした。

毎勤統計の不適切調査で雇用保険などの過少給付も生じた。野党には年金の持ち主が特定できなくなった2007年の「年金記録問題」と同じ構図に持ち込む狙いがある。

注目されるのが参院選などを控え世論に敏感な公明党の対応だ。石田祝稔政調会長は第三者の特別監察委員会による職員調査に定塚由美子官房長らが同席したことに関して「上司が見ているところでは言いにくい。その感覚はどうか」と厚労省を断じた。

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