2019年8月25日(日)

埼玉県、スポーツ分野起業家育成 支援の4社決定
潜望展望

2019/1/28 22:00
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埼玉県は2018年度に始めたスポーツビジネス分野での起業家を育成するための「イノベーションリーダーズ育成プログラム」で、支援する4社を16日決めた。県内プロチームの協力を得てニーズに合ったプランを練り上げ、協業先も紹介するなど実践的に支援し、事業化を後押しする。スポーツ分野のスタートアップ企業を育てる珍しい事業の成果に注目が集まる。

10社が有識者やプロチームの幹部らの前でプレゼンをして、4社が選ばれた(16日、さいたま市)

同事業は20年東京五輪・パラリンピックなどを契機に拡大が期待されるスポーツ分野のビジネスを、新たな産業に育てるのが狙い。国の地方創生推進交付金を活用し、起業を目指す若手や企業に参入を促す。デロイトトーマツグループが事業の運営にあたる。

地域のプロチーム、Jリーグの浦和レッズ、大宮アルディージャ、プロ野球の埼玉西武ライオンズと連携。実際に各チームが抱える課題を基に、解決に向けたビジネスプランを提案する。

支援先は18年8月に募集。楽天大学の仲山進也学長や先輩起業家が講師を務めるワークショップ、有識者やチーム幹部へのプレゼンテーションを経て、1月16日に4社を選んだ。

「Sportip」(東京・港)はスマートフォン(スマホ)で撮影したフォームの動画を人工知能(AI)で分析し、修正やトレーニング方法の助言をするアプリを開発する。プロチームと契約し、データの分析、提供などにつなげたい考えだ。一橋大大学院生でもある最高経営責任者(CEO)の高久侑也氏(24)は「通常ではプロチームと接点を持つことが厳しいのでよい機会。技術者ら人材も確保し、実現したい」と意気込む。

プログラミング・科学教室「codience」(同県川越市)は、科学や数学などに力を入れる「STEM教育」をスポーツ技術の向上に生かすことを提案。チームの広報活動をするファンを育てる「タイムカプセル」(岐阜市)や来場前から帰宅後まで情報やクーポンを配信し、ファンと地域をつなぐ「playground」(東京・渋谷)も事業化を目指す。

4社は3月に開催する銀行や大企業などが参加する「ピッチイベント」に向け、プランの精度を高める。同イベントで発表し、ビジネスパートナーや支援者を募る。デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーの里崎慎シニアヴァイスプレジデントは「スポンサーなどを見つけ、自走できるところまで支援したい」と力を込める。

人口減少や高齢化を背景に、地域活性化での産業振興の重要度が増す。政府は25年までにスポーツ関連市場の規模を、15年の3倍弱にあたる15兆円規模に拡大する目標を掲げる。県は政府目標を追い風に、スポーツが盛んな地域特性を生かして関連企業を集積する。自動車や食品、化粧品などに加わる、地域経済のけん引役にすることを目指す。(さいたま支局 山岡亮)

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