2019年4月26日(金)

避難所の鍵、災害時は自動で解錠 放送波利用

2019/1/28 11:01
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大地震や津波などの災害時に、住民に避難指示を伝えるのと同時に避難所の鍵を自動で開ける全国初のシステムの運用を、兵庫県加古川市が今春始めることが28日分かった。放送波を利用した仕組みで、屋外スピーカーや戸別防災ラジオの端末から音声を流す一方、電波による遠隔操作で各避難所の鍵を収納している「鍵ボックス」を一斉に開ける。

避難所の入り口に設置された、電波で自動解錠できる鍵ボックス(兵庫県加古川市)=共同

自治体職員らが駆け付けなくても自動で鍵が開くため、住民の手で迅速に避難所を開設できる。防災専門家は「職員の駆け付けまでの時間を省ける画期的な仕組み」と評価している。

放送波で制御信号を送って開けられる「鍵ボックス」はDXアンテナ(神戸市)が開発した。加古川市は津波や土砂災害の避難所に指定されている市内16の学校に設置、3月末までに整備を終えて運用に入る。

テレビの地上デジタル放送移行で空いた周波数帯を利用した「V-Lowマルチメディア放送」のうち、自治体が防災用途で情報配信できる仕組みを使う。

南海トラフ巨大地震などの災害が起きた時に、避難所の鍵を預かる自治体職員らが確実に駆け付けられるかが各地で課題となっている。「職員も被災者になる可能性が高く、開けられる保証がない」(加古川市)ことが導入の背景になった。

加古川市は2017年度に消防庁などの実証事業として、V-Low放送を使った高度な情報伝達システムの構築に取り組み、避難所1カ所に自動解錠の鍵ボックスを設置した。避難訓練も行った結果、有効性を確認したため本格導入を決めた。

電波で機器を遠隔操作できる仕組みは、津波が来る前に水門を自動で閉めるといった用途への応用も考えられる。DXアンテナは「いろいろな可能性がある。防災用途での多様な活用法を全国の自治体に提案していきたい」としている。

元消防庁長官の久保信保氏は「職員が鍵を持って行くにはまず時間がかかる。避難行動が必要な場合、例えばどこで土砂崩れがあるか分からない中で職員が駆け付けること自体に危険が伴う。いざというときは1秒でも時間が大事。加古川市以外にも広まってほしい」と話している。

〔共同〕

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