「まだプレーが続いている気がする」 大坂一問一答
全豪テニス
大坂なおみ(日清食品)は26日、ペトラ・クビトバ(チェコ)との激戦を制し、全豪オープン女子シングルスを初制覇し、大会後の世界ランキング1位の座を手にした。試合後の記者会見は以下の通り。
――第2セットで3つのマッチポイントを逃した。どのように気持ちを切り替えたか。
「相手のサーブだったのでキープされるのは仕方ないこと。世界最高峰の相手とやっているのだから、それほど楽に勝てるはずがない。第3セットはまたゼロからのスタート。このまま立て直せなければ、後で試合を見直して泣くことになる。後悔だけはしたくない。去年は4回戦で負けたのが今年は決勝まで来られたのだから、その幸せを感じてプレーしようと思った」
「最終セットは空っぽの状態でプレーしていた。ロボットみたいに、練習してきたことを実行していた。一喜一憂して余計なエネルギーを使いたくないというのもあった。勝利がみえてくると事の重大さに気が付いて、またカモンと叫んだりしたけど」
――全米の決勝と比べてどうだったか。
「全米の方が経験がない分、大変だった。自分がどれぐらいやれるかも分からなかった。全米では大半のお客さんがセリーナ(ウィリアムズ、米国)の応援だったけれど、今回は両方のファンがいてうれしかった」
――全米の優勝は「ほろ苦かった」と話していた。今回の優勝の味は。
「いまはとても疲れている。あまりに激しい試合でまだプレーが続いているような気がする。あしたになったらもうちょっと考えられるかもしれない」
「大会全体を振り返ると目を開かせてもらうような経験ができた。厳しい状況が多く、追いかける展開もあった。劣勢でも強い意思があれば逆転できることを知った。(相手に握られた)ブレークポイントでもたくさん踏ん張れた」
――四大大会で1度は優勝した後、期待に押しつぶされてしまうプレーヤーもたくさんいる。
「テニスに集中してきただけ。試合中、ほかのことは頭にない。四大大会は子供のころからの憧れの舞台。そんな機会を無駄にしたくないというのが最大のモチベーションになっている。40位や70位だった頃から分不相応なほど多くのメディアが注目してくれていた。おかげでスポットライトには慣れていた」
――1年前は70位付近だった世界ランキングがこれで1位になる。
「外から見れば短時間にみえると思うが、自分では短いような長いような。たくさんの努力をし、犠牲も払ってきたので、それほど早かったとは感じない」
「いまは勝ったうれしさだけで、実感はまだわかない。次の試合に出て名前の横に出るとか、姉に会って『世界1位が誰だか分かる? 私よ』みたいなやり取りをした時に実感するかもしれない。でも私のゴールはランキングではなく、次のトーナメントを勝つこと。(四大大会に次ぐ格付けで3月に米国で行われる)インディアンウェルズ(BNPパリバオープン)とマイアミ(・オープン)を続けて勝てれば、世界で一番の選手だといえると思う」
(メルボルン=吉野浩一郎)