2019年7月17日(水)

クリントン氏のメール流出 トランプ陣営が事前把握
16年大統領選、「ウィキリークス」と内通

2019/1/26 13:17
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【ワシントン=中村亮】モラー米特別検察官は25日、2016年の大統領選中に民主党候補のクリントン元国務長官に打撃となる情報をトランプ陣営が強く求めていた実態を明らかにした。トランプ陣営は内部告発サイト「ウィキリークス」がクリントン陣営のメールを流出させると事前に把握していた。トランプ米大統領がロシア政府と協力して選挙に干渉した疑惑を裏づける突破口となるかに注目が集まる。

訴追された元トランプ陣営幹部のストーン被告=ロイター

訴追された元トランプ陣営幹部のストーン被告=ロイター

「米連邦捜査局(FBI)だ。ドアを開けろ」。25日午前6時ごろ、FBI捜査官を乗せた10台以上の車が現れ、トランプ陣営元幹部のロジャー・ストーン被告をフロリダ州の自宅で逮捕した。モラー氏は24日、偽証罪や司法妨害の罪で被告を訴追していた。被告は出廷した連邦裁判所前で「政治的動機に基づく捜査だ」と主張し、モラー氏を強く批判した。

検察が25日公表した起訴状はトランプ陣営の危ういやり取りを明らかにした。ウィキリークスは16年7月に民主党全国委員会の内部メールを暴露した。その直後、トランプ陣営幹部は陣営内の何者かの指示を受け、ウィキリークスに近いストーン被告に追加の情報流出の有無を問い合わせた。米メディアでは、指示を出した人物がトランプ大統領本人ではないかとみる報道が目立つ。

25日、トランプ米大統領はツイッターでロシアとの大統領選介入の疑いを否定した(ワシントン)=AP

25日、トランプ米大統領はツイッターでロシアとの大統領選介入の疑いを否定した(ワシントン)=AP

同年10月上旬には、トランプ陣営幹部がストーン被告に今後のウィキリークスの情報流出計画についてたずねたことも発覚した。被告が「これから毎週暴露がある」と回答すると、その数日後にウィキリークスがクリントン陣営の内部メールの暴露を始めた。

ウィキリークスの暴露はクリントン氏に打撃となった。あるメールでは政治は「公私の立場(の使い分け)が必要だ」と発言したことが判明し政治不信を招いた。別の演説では「国境なき共通市場が私の夢だ」と発言。大統領選では環太平洋経済連携協定(TPP)に反対したが、当選後に賛成に回るとの疑心暗鬼が支持者に広がった。

ストーン被告をめぐる起訴状はトランプ陣営とロシアの選挙干渉の疑いに最も切り込んだ内容と言える。ウィキリークスはロシア軍情報機関から民主党全国委員会の内部文書を提供されたとされ、ロシア政府に近い。米メディアによると、モラー氏は37個人・団体を起訴したが、選挙干渉の真相に切り込む内容には乏しかった。

トランプ氏は18年11月、ロシアとの選挙干渉の疑いをめぐるモラー氏の質問に書面で回答している。この中でストーン被告を通じたウィキリークスとの関係についての認識や、自身の関与を問われた可能性がある。書面回答で虚偽説明をした場合には罪に問われる可能性がある。

今後の焦点は、ストーン被告の訴追をきっかけにトランプ陣営とロシア政府が共謀したと断定する証拠に迫れるかだ。モラー特別検察官はトランプ陣営が仲介者を通じてウィキリークスと内通したと指摘したが、本丸のロシア政府との関係には触れていない。ストーン被告も選挙干渉に関連した罪を問われておらず、モラー氏が決め手を欠いている可能性もある。

野党・民主党はトランプ氏をめぐる疑惑追及を強める考えだ。下院情報委員会トップのアダム・シフ議員は25日の声明で「トランプ陣営がクリントン氏にとって不利な情報を得る試みについて新たな詳細が判明した」と指摘。「不利な情報を手に入れようとしていたトランプ陣営内の人物の特定に力を入れる」と強調した。

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