データセンター用半導体、調整局面 インテルなど減速

2019/1/25 22:40
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米インテルなど有力半導体メーカーの業績が減速している。特にサーバーを置くデータセンターの需要に一服感が出てきたためだ。スマートフォン(スマホ)の販売減速でメモリー需給が緩み、GAFAと呼ぶ米IT(情報技術)大手などが半導体の調達を手控えた。そこに米中の貿易戦争にともなう中国景気の減速が拍車をかけている。

業績が減速している米インテル=ロイター

インテルのボブ・スワン暫定最高経営責任者(CEO)は24日、2018年通期の売上高が700億ドル(約7兆7800億円)を超え、過去最高になると語った。だが、米株式市場の時間外取引ではインテル株の売りが広がった。世界シェア9割を握るデータセンター向けCPU(中央演算処理装置)の売上高が、10~12月期に9%増の61億ドルにとどまったからだ。

データセンター向けCPU事業の伸びは18年7~9月期まで2割を超え、パソコン依存脱却の象徴だった。スワン氏はデータセンター向けCPUの販売が、19年1~3月にいっそう停滞すると予想。会社全体の売上高も15年7~9月期以来の前年割れとなる見込みだ。

データを記録・処理するメモリーの大手、韓国のSKハイニックスは24日、18年10~12月期の営業利益が32%減の4兆4301億ウォン(約4300億円)になったと発表した。減益は2年と1四半期ぶりだ。

「データ経済」のインフラであるデータセンターにはデータを処理するサーバーが詰め込まれている。その中核が、CPUやメモリーなど半導体だ。最近は「データセンターの伸びに少し期待しすぎた」(東芝メモリ幹部)との声も漏れ始めている。

SKハイニックスの車辰錫(チャ・ジンソク)副社長は、データセンターを保有し投資する米グーグルなどIT大手の誤算に一因があると指摘する。米IT大手は、次世代の高速通信規格「5G」の普及によってスマホを介したデータ通信量が急増するとにらみ、データセンターへの投資を続けてきた。早くメモリーを手に入れなければ競合に遅れるという空気も漂い、米IT大手はメモリーを大量に購入した。

しかし、米アップルに代表されるスマホ市場の減速で、メモリーがだぶつき始めた。車副社長は顧客である米IT大手の「購買意欲が後退している」と話す。

さらに、米中の貿易戦争にともなう中国景気の減速が拍車をかけていることも要因だ。騰訊控股(テンセント)など中国IT大手が投資に慎重になっているとみられ、インテルのスワン氏は「中国の大企業の顧客で需要の弱さが目立ってきている」と話す。韓国の統計では、18年12月には韓国から中国への半導体の輸出額が前年同月比で19%減った。

データセンター向け半導体の市場が当面どう動くのかを巡っては別の見方もある。米マイクロン・テクノロジーのコラム・ライサット副社長は「今はエアポケット。IT企業が抱えるメモリー在庫の量を考えれば19年後半に復調する」と話す。需給は読みにくく、関連企業は難しい投資判断を迫られる。

(シリコンバレー=佐藤浩実、ソウル=山田健一、龍元秀明)

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