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トップの力量映す社外取締役(一目均衡)
編集委員 松崎雄典

2019/1/28 16:25
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音楽が好きなある関西電機業界の名物経営者には、こんな持論がある。最高経営責任者(CEO)はオーケストラの指揮者であり、楽器の編成や最適な演奏者の登用で醸し出したい音を出す。唯一、観客に背中を向けられる代わりに重責を負っている。

会社に置き換えれば、取締役にどんな人材をそろえるのかということだ。なかでも社外取締役には色が出る。友達や同じグループの身内なのか。事業や経営の経験に優れた人材か、企業統治(コーポレートガバナンス)や法務のプロか。目の肥えた投資家は社外取締役の顔ぶれにCEOの狙いや力量を見る。

最近の好例はオリンパスだろう。社外取締役に大株主の米ファンド、バリューアクト・キャピタルの幹部を受け入れた。海外の企業動向に詳しいバリューアクトの助言も受けながら、医療分野の事業経験があるような外国人も社外取締役に選ぶ見通しだ。医療分野のテクノロジー企業として世界で戦える体制を整える狙いがある。強いメッセージが感じ取れる取締役会になるか、投資家は見ている。

アベノミクスの柱になった企業統治改革の勢いは低下している。香港拠点の投資家団体アジア企業統治協会(ACGA)のランキングでは、日本は2016年の4位から18年は7位に下がった。「コーポレートガバナンス・コード」など形式は整ったが実質が伴わないと嘆く声が聞かれる。壁を突破する原動力は「経営者の意思であり取締役会の改革にほかならない」(みさき投資の中神康議社長)。

スパークス・アセット・マネジメントは、帝国繊維の株主総会に社外取締役の選任を求める株主提案を出した。帝国繊維の取締役や監査役の大半は、旧富士銀行など芙蓉グループの出身者が占める。富士銀出身の飯田時章会長兼CEOは防災などの新事業で経営を立て直した功労者だ。

日本はかつてメインバンクによるガバナンスが中心だった。銀行が債権者の目で監視し時には経営に介入していた。90年代以降、この構図は崩れる。「銀行も派遣する人材が不足し統治の空白をうんだ。その後、株主ガバナンスがより重要視されるようになった」(東京大学の柳川範之教授)という流れにある。

統治の空白を感じて自ら改革に乗り出した企業もあった。コニカミノルタはコニカ時代、当時の植松富司会長が「経営者、取引関係がない、経営陣と友人関係がない」という条件で人材を求め、コマツ元社長の片田哲也氏など重鎮を社外取締役に招き入れた。だが統治の空白を解消できていない企業は残る。社外取締役の数は増えても、実質を伴っていない。

各社の社外取締役を見渡すと、日立製作所では経済産業省の元事務次官が議長を務める。日産自動車には元レーサーがいる。その人である狙いは何か。説明は十分か。株主の目はよりシビアになっている。CEOが目指す企業像が見えるような顔ぶれの取締役会が増えるかどうかが今後の注目点だ。

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