2019年3月21日(木)

RIZAP、多難のダイエット 子会社85社 次の売却は?

ヘルスケア
サービス・食品
2019/1/25 14:17
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RIZAPグループが膨張した子会社の整理に着手した。多額の損失を計上していた化粧品子会社の売却を決定。2019年3月までに他の子会社の売却を決める可能性もある。同社は個人向けジムなど本業に経営資源を集中させ、収益力の引き上げを狙うが業界の競争は激しい。売却せずにグループに残す子会社の再成長も不可欠で、再建への課題は山積みだ。

■シャンプーヒットしたが競争激化

RIZAPは25日、化粧品製造・販売子会社、ジャパンゲートウェイ(東京・新宿)の売却を発表した。買収するのは萬楽庵(名古屋市)。テレビ通販番組運営のオークローンマーケティング(名古屋市)の創業者が社長を務める投資会社だ。買収額は非公表だが数億円とみられ、RIZAPは19年3月期に約8億円の売却損を計上する見通しだ。

RIZAPは17年末、子会社を通じジャパンゲートウェイの大半の事業を買収し、社名を引き継いで事業を進めてきた。買収した企業はノンシリコンシャンプーのヒットで13年5月期に売上高が200億円規模まで拡大したが近年は競合の台頭で業績不振に陥っていた。

RIZAPは経営資源を本業のジム事業に振り向ける

RIZAPは経営資源を本業のジム事業に振り向ける

RIZAPは業績不振の会社を時価ベースの純資産より割安な価格で買収する手法でグループ会社を85社まで増やした。同社が採用する国際会計基準(IFRS)では純資産と買収額の差額を「負ののれん」として利益計上できる。現金の流入を伴わないものの、損益計算書上の利益を押し上げ、急成長を支えた形だ。ただ負ののれんの発生は対象企業にリスクがあることの裏返しでもある。

■赤字20億円、全体の4分の1

RIZAPはジャパンゲートウェイの実質買収後、新商品の投入やテレビCMの大量出稿など大規模なマーケティング策を展開。巻き返しを図ったが18年4~11月の売上高は9億円強にとどまった。RIZAPの18年4~9月期の営業損益は88億円の赤字。このうち、ジャパンゲートウェイに由来する営業損失は約20億円と、グループ全体の約4分の1を占めた。

RIZAPは急速なM&A(合併・買収)が裏目に出て、19年3月期の連結営業損益が33億円の赤字となる見込みだ。同社は今後、膨らんだ子会社の整理を進める。18年4~9月期に多額の損失を出し、本業とのシナジーも薄い住宅やメディアなどの子会社の売却に近くメドをつける可能性がある。

ジーンズメイトの業績は堅調

ジーンズメイトの業績は堅調

■本業も競争厳しく

RIZAPの本業は依然好調だ。主力の個人向けジム単体の19年3月期の営業利益は前年比4割増を見込む。ゴルフ教室などを含む「RIZAP」ブランドの事業の18年4~9月期の売上高は前年同期比で6割程度伸びた。RIZAPは経営資源を本業に振り向ける。

個人向けジムでは、短期間で一気に減量などに取り組むプログラムに加え、長い期間で緩やかに体を鍛えるプログラムを新たに設ける。女性向けに特化した施設も多く展開するほか、法人・自治体と組んで社員や高齢者に健康増進プログラムを提供する事業にも力を入れ客層を広げる考えだ。

ただ、フィットネス市場は競争が激しい。消費者の健康志向の高まりで市場は拡大しているが、最大手のコナミスポーツクラブは減収に転じるなど、苦戦を強いられる企業もある。RIZAPはトレーナーが顧客に寄り添い、プログラムを「やりきらせる」点を武器にして成長を遂げた。強みから外れたサービス展開を進めれば、好調ぶりが一転する懸念もある。

CD・ゲームソフトを販売するワンダーコーポレーションの店舗

CD・ゲームソフトを販売するワンダーコーポレーションの店舗

■アパレル系は好調

グループに残る子会社のかじ取りも工夫が必要だ。

女性や訪日外国人(インバウンド)を取り込みに成功したジーンズカジュアル専門店、ジーンズメイトは堅調だ。19年3月期の連結業績見通しでは、営業損益が7千万円の黒字(前期は6億円の赤字)に転じており、引き続きてこ入れを図る。

CD・ゲームソフト販売のワンダーコーポレーションは年間売上高が約700億円でグループ全体の約3割を占めることなどから、グループ内での再建を図るとみられる。保有する大型店にRIZAPグループの小売店やジムを入居させつつ、不採算店舗の閉鎖や事業撤退も進める。

売却する会社、残す会社のかじ取りが難しくなりそうだ(RIZAPグループの瀬戸健社長)

売却する会社、残す会社のかじ取りが難しくなりそうだ(RIZAPグループの瀬戸健社長)

RIZAPは一連の構造改革を通して、19年3月期下期に限った営業損益は55億円の黒字を見込む。瀬戸健社長は「下期、来期、再来期と信頼回復できる数字を出したい」と話す。同社は依然、東証1部への指定替えを狙う。再建と東証1部上場に向けた課題は山積だが、不振の象徴ともいえるジャパンゲートウェイの売却は実現に向けた第一歩となる。

(高尾泰朗)

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