オンライン診療、医師は研修が必須に

2019/1/25 11:52
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日経メディカル Online

検討会の冒頭で挨拶する厚労省医政局長の吉田学氏。

検討会の冒頭で挨拶する厚労省医政局長の吉田学氏。

厚生労働省は「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」を2019年1月23日に開催し、5月までに予定されている指針の見直しに向けた検討項目案を示した。検討会の冒頭で、厚労省医政局長の吉田学氏は「オンライン診療で既に発生している不適切事例を受けた対応と、指針の記述で不明確だった部分を整理することで、現場の実態に合わせた形に指針をバージョンアップさせたい」と検討会の目的を説明した。

今回、指針の見直し項目としてリストアップされたのは、以下の通り。

指針見直しに向けた主な検討事項(厚労省案)
(1)「オンライン受診勧奨」と「遠隔健康医療相談」の違いの明確化
(2)初診対面診療の原則の例外について、追加可能な事項はないか
(3)オンライン診療による経過観察中、予測できる症状変化に対する再度の対面診療の必要性について
(4)当該患者に対面診療を行った医師しかオンライン診療できない「同一医師ルール」について
(5)セキュリティーの観点に基づく適切な通信環境の明確化
(6)訪問看護師などが患者の下にいる状態で医師がオンライン診療を行った場合に可能な看護業務について
(7)オンライン診療を実施する医師の研修必修化

(7)の「医師の研修必修化」は、オンライン診療の不適切事例が存在することが新聞報道などで明らかになったことを受けたもの。厚労省は不適切事例として、「来院せずにED(勃起障害)薬を処方するなどと説明する医療機関が多数出てきた」「オンライン診療中、無資格者が相談員を名乗ってスマートフォン(スマホ)画面に現れた」「オンライン診療の医師からダイエット用に糖尿病薬を処方された」などのケースを挙げ、「研修によって医師が順守すべきルールの理解を深めることが大事だ」とした。実際の研修内容や時間数などは、今後の検討で詰める。

(1)の「オンライン受診勧奨」と「遠隔健康医療相談」の整理案について、厚労省は「患者個人の状態に対して、罹患する可能性のある疾患名を列挙したら、『オンライン受診勧奨』として指針の対象とする」という考えを示した。一方、一般的な症状に対する罹患可能性のある疾患名の列挙や、一般用医薬品の使用に関する助言、特定の医療機関の紹介は「遠隔健康医療相談」として指針の対象外とする。また遠隔健康医療相談を医師が担う場合は、「患者個人の心身の状態に応じた医学的助言」を行ってもよいとする考えを示した。

(2)の「初診対面診療の原則の例外」に関しては、緊急避妊薬(アフターピル)を初診からオンライン診療の対象とすべきだといった議論が存在する。これについて、日本オンライン診療研究会会長の黒木春郎氏は、「既にオンライン診療が可能と誤解している医師もいて、混乱が生じている。スイッチOTC(医療用から一般用に切り替え)化の議論も踏まえつつ、初診対面診療の原則から外れていいのか明確にすべきだ」と述べた。

「オンライン診療の適切な実施に関する指針」は、無診察治療などを禁じる医師法20条に抵触せずに情報通信機器を用いた診療を行うためのルールとして、18年3月に作成されたもの。通信環境や患者との合意取得、薬剤の処方、診療方法などを示している。技術の発展や利用状況に応じて、1年に1回、内容を見直すことになっている。

(日経メディカル 江本哲朗)

[日経メディカル Online 2019年1月24日掲載]

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