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僧衣で運転は危険? 僧侶反発、反則切符に広がる波紋

(更新)

福井県で僧侶が僧衣を着て車を運転した際、警察官から「運転に支障を及ぼす恐れがある」として交通反則切符を切られたことに、僧侶が属する宗派が反発するなど波紋が広がっている。警察庁によると、運転時の服装に関する規定は同県を含め15県にある。専門家は「規定はほとんど知られておらず、警察は取り締まる前に関係者に周知すべきだった」と指摘する。

2018年9月、40代の男性僧侶が福井県の県道で僧衣を着て軽乗用車を運転していた際、警察官に停止を求められたうえで、「運転に支障がある衣服だ」として反則金6千円の交通反則切符(青切符)を渡された。当時、白衣(はくえ)という裾が足元まである服に、布袍(ふほう)と呼ばれる僧衣を羽織っていた。

適用されたのは、県の道路交通法施行細則。県警交通指導課は、今回のケースでは▽30センチほど垂れ下がった布袍の袖がシフトレバーなどに引っかかる▽白衣の裾が狭く足が動かしづらいためブレーキ操作が遅れる――と判断したと説明。「着用方法が問題で、袖をたくし上げたり、足が動かしやすいように着たりすれば、安全に支障はない」と話す。

一方、僧侶は取り締まりに違和感を抱き、反則金の支払いを拒否。所属する浄土真宗本願寺派は「僧侶が服装を理由に反則処理をされたことは到底受け入れがたい」と抗議する。全国の僧侶らにも反発が広がり、僧衣を着用していても手足が動くことを示すため、縄跳びなどを披露する動画がインターネット上に相次ぎ投稿された。

動画を投稿した香川県の善照寺の住職、三原貴嗣さん(36)は「公共交通機関の少ない地域では檀家を訪れるのに車を使わざるを得ない事情がある。規定が曖昧で、取り締まる側の主観に左右されている気がする」と困惑する。

道交法は「公安委員会が交通安全のために必要な事項を定める」と定めており、警察庁によると、運転時の服装に関する規定は福井県を含め東北6県など15県にある。多くが「運転の妨げとなるような衣服」と具体的な服装は示していないが、岩手県は規則の「解釈・運用」の中で「和服等」と明記。福井県でも、過去に和服を着用して運転中に切符を切られるケースがあったという。

福井県警は26日、今回のケースについて「違反事実が確認できなかった」として僧侶を検察庁に送致しない方針を明らかにした。僧侶に対して「証拠の確保が不十分で違反事実が確認できなかったため、本件については送致しない」と伝えたという。

交通問題に詳しい加茂隆康弁護士は、「服装規定はほとんど知られていないうえ、規定のない地域では摘発されず不公平感が出る。今回も細則を適用するのであれば、事前に仏教関係者に注意喚起しておくべきだった」と指摘している。

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