2019年5月22日(水)

ベネズエラ 「暫定大統領」の承認巡り国際社会二分

2019/1/25 5:12 (2019/1/25 8:44更新)
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【サンパウロ=外山尚之、ニューヨーク=吉田圭織】南米の産油国ベネズエラで23日に野党指導者のグアイド国会議長が「暫定大統領」への就任を宣言したことを受け、国際社会の対応が割れている。欧米諸国のほか、ブラジルやコロンビアなど南米の主要国が相次ぎグアイド政権を承認。一方、ロシアや中国、キューバなどはマドゥロ大統領を支持する意向を表明した。国家主権を巡る見解の相違は大きく、歩み寄りの気配はない。

23日、「暫定大統領」への就任を宣言するグアイド国会議長(カラカス)=ロイター

米ポンペオ国務長官は24日、ベネズエラへの人道支援として2000万ドル(約22億円)を用意していると発表した。米国が暫定大統領として認めるグアイド氏を通じて提供する方針だ。ポンペオ氏はマドゥロ政権について「現存していない」と断言した。

グアイド氏は23日、各国の在ベネズエラ大使館に対し、暫定大統領として「ベネズエラは外交関係を維持することを強く望む」との声明を発表した。マドゥロ氏が同日に発表した米国との断交は法的に無効だとした。

英国のハント外相も「我々はグアイド国会議長を正しい指導者と承認した米国の方針を支持する」と表明し、米国と対応策を協議する考えを示した。欧州連合(EU)議会は声明で「EUは民主的に選ばれた国会を十分に支援する」として、野党の主張する、大統領選のやり直しを要求した。

南米ではブラジルやコロンビアなど大半の国がグアイド氏を支持している。近く米国を交えた関係国の外相会談を開催するという。

一方、キューバやボリビアなどベネズエラの友好国である地域の反米左派国に加え、ロシアや中国、トルコはマドゥロ政権を支持する構えを崩していない。

ロシア大統領府は24日、プーチン大統領がマドゥロ氏と電話会談したと発表した。「ロシア大統領はベネズエラの法的な権力者に対する支援を表明した」という。中国外務省の華春瑩副報道局長は「ベネズエラの国内問題に干渉することに反対する」として、米国をけん制した。

国際社会が二分する中、次の外交の舞台は国連になりそうだ。米国の国連代表部は24日、安全保障理事会でベネズエラに関する緊急会合を26日に開くよう要請したと発表した。

安保理外交筋によると、会合にはポンペオ氏が出席する予定。ロシアと中国は会合の開催に反対するとみられているが、開催に必要な9カ国以上の賛成は集まる見通しだ。

国連事務総長の報道官は声明で、ベネズエラで起きている反政権デモで死傷者が増加していることに懸念を表明した。

日本政府はマドゥロ政権の強権的な姿勢を非難する一方、グアイド氏を承認するかについては態度を明らかにしていない。菅義偉官房長官は24日の記者会見で「ベネズエラ政府が十分な説明責任を果たさないまま、大統領就任式を実施したことを遺憾だと思う」と話した。「民主主義の一刻も早い回復を引き続き強く求めていきたい」と述べるにとどめた。

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