2019年7月23日(火)

リー首相の弟、野党支持を表明 シンガポール
長年の与党支配に波風

2019/1/24 23:28
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【シンガポール=中野貴司】独立以来50年以上にわたって与党・人民行動党が政権を握るシンガポールの政治に波風が立っている。知名度の高い元国会議員が新たな野党の設立を発表し、リー・シェンロン首相の弟が24日、この新党への支持を表明した。年内の解散・総選挙もささやかれる中で、野党勢力への支持がどの程度広がるかが焦点となる。

リー・シェンヤン氏は兄のリー・シェンロン首相と対立を続けている(写真は2015年当時)=ロイター

元国会議員のタン・チェンボク氏は18日、新党「進歩シンガポール党」の政党登録を申請したと発表。「党や候補者が成熟すれば、いずれ国を治めるつもりだ」と政権交代実現への意欲を示した。これに呼応して、リー首相の弟のリー・シェンヤン氏が24日、フェイスブックに「タン氏はシンガポールのリーダーにふさわしい人物だ」と投稿。兄の率いる与党ではなく、野党を支持する姿勢を鮮明にした。

シンガポールでは、2人の名前は知れわたっている。タン氏は国会議員を経て、2011年の大統領選挙に立候補。与党が実質支持した候補に得票率で0.3ポイント差まで迫った。大統領職は政治的権限が限られ、儀礼的な存在であるものの、与党支配に不満を持つ国民の受け皿となった。

リー・シェンヤン氏は過去に政府系通信大手シンガポール・テレコムの最高経営責任者(CEO)を務めたほか、近年は故リー・クアンユー元首相の遺言を巡るリー首相との対立で世間の耳目を集めてきた。

シンガポールは1965年の独立以来、人民行動党が政権を維持してきた。ただ、11年の総選挙で与党の得票率が約60%に落ち込むなど、支持基盤はかつてほど盤石ではなくなっている。

人民行動党は昨年11月、ヘン・スイキャット財務相を党内第2位の序列である書記長第1補佐に任命した。21年4月までに実施される次の総選挙では、ヘン氏が「次の首相候補」として前面に立つ見通しだ。

リー首相は後継者が固まったことを受け、年内にも解散に踏み切るとの観測が出ていた。知名度が高い2人の連携はこうした解散シナリオにも影響を与える。与党は18年に初の政権交代が起きた隣国マレーシアの事例が波及することを警戒しており、野党の勢いが増す中での解散は避けたいからだ。

新党がこれまで与党批判勢力の主な受け皿だった野党・労働者党と、どのように連携していくかも今後の注目点となる。

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