2019年8月23日(金)

勤労統計問題、追加給付3~6月に開始 閉会中審査

2019/1/24 7:00 (2019/1/24 8:49更新)
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衆院の厚生労働委員会は24日、閉会中審査を開いた。根本匠厚労相は冒頭で、毎月勤労統計の不適切な調査問題を受けて「極めて遺憾。国民の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くおわびしたい」と陳謝した。雇用保険や労災保険などで起きた過少給付に対応するため、現在の受給者に追加給付を3~6月に順次始めることを明らかにした。

衆院厚労委の閉会中審査で答弁する根本厚労相(24日午前)

衆院厚労委の閉会中審査で答弁する根本厚労相(24日午前)

その上で「組織をあげて再発防止に取り組みたい」と述べた。併せて鈴木俊彦事務次官ら幹部を処分したことや根本氏ら政務三役が給与を自主返納したことを報告した。28日から始まる通常国会を前に、政府・与党は早期の幕引きを狙う。

毎勤統計を巡る問題はいくつもある。発端は従業員500人以上の事業所はすべて調査することになっているが、東京都は04年からサンプルを抽出して調査していたことだ。抽出調査ならば適正な数値に近づける「復元」操作が必要なのにしていなかった。18年1月にはこっそり復元をして、統計の連続性を失わせていた。

報告書で解明されていない大きな点が、不適切な統計処理を長年続けてきたうえに、なぜ18年1月分から公表せずに復元を始めたのかだ。対応する数値が異なるため、本来よりも低く抑えられていた17年と適正値に近い18年を比較することはできないが、見かけ上の前年比は大きくなる。

監察委の報告書は厚労省の職員らが不正を知りながら、漫然と業務を続けていたと指摘。「組織として隠蔽の意図はあるとまでは認められない」とした。

だが04年からの調査手法の手引に記載されていた「東京都は抽出調査で良い」とする表現は15年に削除。全数調査をしていないことも17年度冬に担当室長が局長級の政策統括官に報告していたことも分かっている。

公明党の桝屋敬悟氏は多くの幹部が知っていたことに触れ「組織的隠蔽、関与だ」と主張した。与党からも厚労省の対応を疑問視する声が出た。

厚労省は、監察委の報告書作成にあたり、一部の聞き取り調査は厚労省内部の職員が実施していたことを明らかにした。根本氏は「監察委の指揮命令のもと実施した」として報告書の正当性には問題がないとの認識を示した。大串博志氏への答弁で明らかになった。

根本的な問題として問われるのが、厚労省の統治能力の欠如だ。不適切な状態を是正する機会が複数回あったにもかかわらず、それが生かされなかった。根本氏は「できる方から速やかに給付していく」と語り、給付漏れがないように努める考えを示した。

厚労省が設置した相談ダイヤルに約4万2000件の相談があったことを明かした。自分が追加給付の対象かといった問い合わせが多いという。

立憲民主党の西村智奈美氏は厚労省でかつてずさんな年金記録が判明した「消えた年金問題」になぞらえ「消えた給付金」にならないよう訴えた。

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