ルノー、「ゴーン後」体制きょう決定へ 3つのポイント
フランス自動車大手ルノーは24日、取締役会を開きます。会長兼最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゴーン被告が辞任を申し出ており、ルノーは新たな経営体制を決めます。同社の筆頭株主である仏政府は、ルノーと日産自動車を経営統合させたい構想を日本政府関係者に伝えています。ルノー取締役会で決まる新体制の方針は日産とルノー、および三菱自動車の3社連合の行方にも影響を及ぼしそうです。

(1)「推定無罪」で留任から一転退任
2018年11月にゴーン被告が逮捕されると、3社連合の間で対応は割れました。日産と三菱自はゴーン被告の会長職と代表取締役の職を解きました。一方、ルノーは推定無罪の原則から留任させ暫定体制を続けてきました。ただ、ゴーン被告の勾留が長引き、同被告の高額報酬などに対する仏国内の世論が厳しくなると、仏政府が方針を転換します。仏政府が早期にゴーン被告を解任し新たな経営体制に移行させる方針を明言するなか、ゴーン被告は自ら辞任を決めました。
(2)ルノーとの統合構想は?
「ゴーン後」体制では、会長に仏ミシュランのジャンドミニク・スナールCEOを招き、ティエリー・ボロレ副CEOがCEOに昇格するとみられます。仏政府がルノーと日産を経営統合させたい意向を日本政府関係者に伝えたことも明らかになってます。ルノーが新体制に移行しても、連合に対する影響力を拡大したい思惑とみられます。ルノー経営陣にとって日産との連合をどう維持するかが今後の交渉の焦点となりそうです。
(3)新体制にも課題
ルノーは日産株の43%を保有し、資本関係上はルノーの方が力を持ちます。一方でルノーの直近5年の業績をみると、純利益の半分以上を日産への出資から得た「持ち分法投資利益」が占めます。ルノーは自動車販売の多くを欧州地域に依存しており、中国などの開拓では出遅れました。統合構想とは別に、ルノー自らの稼ぐ力を高めていくことが求められます。