2019年6月18日(火)

札幌市19年度予算案、一般会計は過去最大

2019/1/23 22:00
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札幌市が23日発表した2019年度予算案は一般会計が前年度当初比0.8%増の1兆193億円と過去最大となった。秋元克広市長が「安心生活予算」を編成方針に掲げ、地震復旧や防災対策の費用を積み増したことが背景にある。待機児童対策などもあり、福祉や職員にかかる「固定費率」が高まる一方、産業や教育に使う費用が減少傾向にある。

札幌市の2019年度予算案を発表する秋元市長

札幌市は4月に市長選を控えるため、予算案は最低限の必要経費を盛り込んだ骨格予算とした。市長選後の最終的な当初予算額は、次期市長の政策判断でさらに20億円ほど膨らむ見通しだ。

過去最高額の予算案となったのは歳出全体の4割を占める保健福祉費が3.9%増えたことが大きい。秋元市長が進める待機児童ゼロに向けた取り組みで膨れた。児童福祉費は8.6%増の941億円に伸びた。19年度も新しく約2千人分の民間の保育所や認定こども園を整備する。

地震復旧と防災事業には154億円を計上した。液状化被害が大きかった清田区里塚地区の道路修繕や被災家屋の公費撤去を急ぐ。インフラ面では学校や市営住宅の耐震化を施し、道路などが地震で崩れないか点検する。大規模停電に備え公共施設の非常用電源を整備したり、非常用電源として使える電気自動車の民間導入を促したりする。

産業振興にあてる経済費は6%減の774億円。低金利で中小企業向けの制度融資が減ったことに対応した。消費増税対策として低所得者や子育て世帯にプレミアム商品券を発行する事業に30億円を計上する。

経済関連の事業としてIT企業の誘致やバイオ創業を後押しし、ラグビーワールドカップなど大型イベントによる観光誘客を進める。新規施策では地元企業がもつAI(人工知能)技術を活用し、除排雪やごみ収集を効率化する研究に3500万円を投じる。

一方、歳入は市税収入が2.7%増の3309億円。財政調整基金を16億円取り崩し、市債残高が2.4%増の1兆1322億円となる。

札幌市の財政状況を見渡すと、財政規模に対する借金残高の比率を示す「将来負担比率」は20政令市のなかで7番目にいい数値だ。借金は抑えられているものの、稼ぐ力を表す財政力指数は熊本市に次いで下から2番目に低い。構造的に中小企業の割合が高く、製造業が弱い。固定資産税や法人市民税といった税収を生み出す産業に厚みを欠いている。

1972年の札幌冬季五輪前後に整備した公共施設は軒並み更新時期を迎えており、歳出増が避けられない。税収を増やすには高齢者や女性の雇用を企業に促し、納税者を少しでも増やす地道な取り組みが求められている。(山中博文)

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