2019年9月20日(金)

ゴーン元会長、保釈再び却下 証拠隠滅の懸念拭えず

2019/1/22 19:49
保存
共有
印刷
その他

東京地裁は22日、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(64)の2度目の保釈請求を却下した。「あらゆる条件を受け入れる」としたゴーン元会長のアピールは功を奏さず、証拠隠滅の懸念は払拭されなかった。捜査の終結や公判に向けた争点整理の進展など、状況が変化するには一定の時間を要するとみられ、勾留はさらに長期化する可能性が高まった。

ゴーン元会長の弁護人は却下決定を不服とし、近く東京地裁に準抗告を申し立てるとみられる。

日産自動車のゴーン元会長が勾留されている東京拘置所(22日、東京都葛飾区)

日産自動車のゴーン元会長が勾留されている東京拘置所(22日、東京都葛飾区)

▼食い違う説明

会社法違反(特別背任)の罪で起訴内容とされたサウジアラビアの実業家側への約12億8千万円の送金を巡り、ゴーン元会長は「現地販売店とのトラブル解消や現地工場の建設に尽力し、サウジ当局との面談も設定してくれた」などと供述し、業務への正当な対価だったと主張している。

これに対し、中東の日産子会社の関係者は「実業家が日産のために働いた事実はなく、工場建設の計画もなかった。必要のない支出だった」などと証言。ゴーン元会長の説明と大きな食い違いが生じているもようだ。

特捜部は海外の関係者や資金の動きの捜査を継続しており、地裁は、こうした状況で保釈を認めると関係者との口裏合わせなどの恐れがあると判断したとみられる。

▼訴えは実らず

ゴーン元会長は保釈後の住居として1回目の請求ではフランス国内や日本のフランス大使公邸を希望したが、2回目の請求では東京都内の賃貸住宅に変更した。

「あらゆる条件を受け入れる」としたアピールも実らなかった(ゴーン元会長と東京拘置所)

「あらゆる条件を受け入れる」としたアピールも実らなかった(ゴーン元会長と東京拘置所)

家族側の米国の報道担当者を通じて発表した21日付の声明では「保釈のため正当だと裁判所が考えるあらゆる条件を尊重する」と強調。例として▽全地球測位システム(GPS)を使った追跡装置を着ける▽検察庁に毎日連絡する▽所持する3カ国のパスポートを預ける――なども挙げた。

しかし、逃亡防止の手段をいくら重ねても、日本の裁判所が重視する証拠隠滅の懸念を払拭するには至らなかった。

▼次のタイミングは

2018年11月19日の最初の逮捕以来、ゴーン元会長の勾留は2カ月を超えた。起訴後の勾留は証拠隠滅の防止が主な目的で、裁判所が職権で行う。期間の制限はなく、特に起訴内容を否認すると長引く傾向にある。

次の保釈の判断のタイミングとしては、特捜部の捜査に一定のメドが立った段階、公判前整理手続きで弁護側の主張が出そろった段階などが想定される。

元東京高裁部総括判事の門野博弁護士は「ゴーン元会長側が提示した条件では大幅に行動が制限され、保釈が認められる余地は大いにあった」と指摘。「今回の事件では整理手続きに相当の時間がかかるとみられ、従来よりかなり早い段階で保釈が認められる可能性はある」とみている。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。