2019年4月20日(土)

スマホ証券のワンタップバイ、初心者開拓に力こぶ

日経産業新聞
コラム(ビジネス)
スタートアップ
2019/1/23 6:30
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

スマートフォン(スマホ)専業証券のワンタップバイ(東京・港)は、中堅証券の東海東京フィナンシャル・ホールディングスソフトバンクなどから総額19億5000万円を調達した。投資経験の浅い若年層向けのサービスで培ったデザインや少額投資の機能をベースに新サービスを開発する。林和人社長に調達の狙いや今後の展開を聞いた。

――調達した資金の使い道は何でしょうか。

ワンタップバイの林和人社長

ワンタップバイの林和人社長

「株取引アプリの新サービスを近く投入し、認知度向上に向けたプロモーションに充てる。株取引アプリに必要な大きなシステム開発は一巡し、一定期間に膨大なアクセスがあっても処理できるデータベースを整備した。2018年は本当のフィンテックとしての土台が完成した一年で、ようやくシステム面の体制が整ったといえる」

――事業の状況は。

「口座数は若年層を中心に14万件を超えた。ここ1年で再確認できたのは、金融商品を買うお金と、家計のお金は全く違うということ。スマートフォン(スマホ)で簡単に口座連携して家計を管理できても、そのお金を投資にまわすには背中を押すものが必要だ。口座開設は増えているが、投資行動は期待ほどではなく、もっと活発にできるはずだ。証券の本質論からサービスづくりと営業を強化する」

――18年は株取引の手数料が割安な月額定額制のプランを始めました。

「頻繁に取引をするプロの投資家が入ってきた。一方で当社のサービスの利用者は以前から初心者の若者が多い。新しい料金体系を追加したことで、未経験者を混乱させた面があった。スマホ証券はシンプルで見やすいデザインが最大の武器だ。プランは続けているが、大部分の未経験者をわれわれは開拓しなければならない」

――18年はフィンテック企業の大型調達が相次ぎました。

「企業価値が大きいところは出てきているが、本当に存在感が大きいフィンテックはまだ日本から出ていない。特に証券会社だとサービスレベル、顧客基盤はまだ整備されていない。当社を含め口座数は数万、多くても十数万。期待先行のところが大きい。現在の売り上げと口座数を3年以内に10倍にまで増やしたい。サービスの認知度は上がってきたが、製品・サービスをさらに磨く必要がある」

――今後の展開は。

「誰でも買いたくなるような金融商品を提供するアプリを開発している。国内外で有望な銘柄を小口に分けて、自動で積み立てたり、売買できたりできる。取引額は既存のアプリと同じように1000円から少額投資できる。(アルゴリズムで資産運用を指南する)ロボアドバイザーを強化したようなサービスだ。若者だけでなく、世代を問わず使われるサービスを提供したい」

■記者の目

国内初のスマートフォン(スマホ)専業証券として誕生したワンタップバイ(東京・港)。社名と同名の専用アプリは日本や米国の個別株などを1000円からリアルタイムで購入できる手軽さが特徴だ。未経験者でも参加しやすいようにトヨタ自動車ソニー、アップルなど70銘柄超を厳選。銘柄や取引額、売買確定の「3タップ」で取引が完了する手軽さで、ユーザーを増やしている。

フィンテック企業の間では広告宣伝に多額の費用を投じる動きが広がっている。実際、ワンタップバイもテレビCMで口座の開設数が単月で大手ネット証券を上回ったこともあったという。ただ、林和人社長は「金融サービスは持続的な取引が求められる。一時的に口座を増やしても継続的に使われないと意味がない」と身を引き締める。

事業の実態以上に企業価値が大きくなっているスタートアップも出始め、市場動向が波乱要因になる可能性がある。ワンタップバイでは着実に顧客数を増やしつつ、新サービスを立ち上げる計画。一層の実績づくりが問われる。

(企業報道部 駿河翼)

[日経産業新聞 2019年1月22日付]

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