2019年4月25日(木)

不適切調査を認識し踏襲 監察委が統計法違反と認定

2019/1/22 17:08 (2019/1/22 19:03更新)
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毎月勤労統計の不適切な調査問題を巡り、厚生労働省の特別監察委員会(委員長=樋口美雄・労働政策研究・研修機構理事長)は22日、検証結果の報告書を公表した。統計手法の取り扱いで一部に統計法違反があったと認定。課長級を含む職員が事実を知りながら、漫然と従来の手法を踏襲していたと指摘し、「部局長級職員も実態の把握を怠り是正しなかった」とした。一方で職員による隠蔽の意図は否定した。

根本匠厚労相は幹部職員らの処分を発表。根本氏ら政務三役は4カ月分の給与を自主返納する。鈴木俊彦事務次官と宮川晃厚生労働審議官は訓告。統計を担当する政策統括官ら15人を減給、元統計情報部長5人を戒告相当とし合計22人を処分した。減給と戒告は国家公務員法上の懲戒処分だが、訓告は懲戒処分に至らないもので野党などが批判する可能性もある。

2017年に総務省から変更承認を得た毎月勤労統計の調査計画に「500人以上は全数調査」と書かれており、特別監察委はこれ以降が統計法違反と認定した。厚労省によると、この違法行為に該当する罰則はない。

報告書によると04年の不適切調査の開始に関し、当時の担当係長が「全数調査は企業からの苦情が特に多く、大都市圏の都道府県からの要望に配慮する必要があった」と証言。樋口氏は記者会見で「組織的な隠蔽は認定できない」と述べた。

報告書では、局長級の政策統括官(当時)が17年度の冬に部下から報告を受け、修正を指示したが、その後は放置したと明記。一方、部局長級に報告が上がっていなかったとの記述も多くあった。04年に不適切調査に変えたのは「担当課のみの判断」と指摘。15年からの調査手法の手引で不適切部分が削除された際、当時の課長は「部長に相談する必要はない」と証言した。

毎月勤労統計は従業員500人以上の事業所は全数を調べるが、東京都は04年から約3分の1を抽出。17年までは全数に近づける加工をせず、実態より賃金が低く出た。18年1月分から加工を始めたが、統計が影響する雇用保険や労災保険などでのべ2015万人に過少給付が起きていた。

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