国際商品に底入れ感 CRB指数1カ月ぶり高水準
米中摩擦緩和に期待

2019/1/22 15:30
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昨年末に急落した商品相場に底入れ感が広がってきた。国際商品の総合的な値動きを示すロイター・コアコモディティーCRB指数は1カ月ぶりの高水準に上昇した。米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待が広がり、最大級の消費国である中国経済減速の過度な悲観論が後退。需要が落ち込むとの警戒感がいったん和らぎ、原油や非鉄金属が反発した。

CRB指数は182前後と、昨年12月中旬以来の水準だ。12月24日につけた168台から1割ほど上昇した。

「米中摩擦や景気減速への過度な悲観論が後退し、原油相場の上昇圧力になっている」と石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之首席エコノミストは語る。ニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は1バレル54ドル弱と2カ月ぶり高値圏だ。

石油輸出国機構(OPEC)の協調減産への期待も原油先物の買いにつながった。OPECは18日に国別の減産目標を公表。実効性が高まるとの思惑から同日のWTIは前日比3%上昇した。

米中両国が通商協議で妥協を探る動きは、農産物や非鉄の先物市場でも買いを誘っている。両国が7~9日に開いた次官級協議後には、中国が米国の農産物の輸入を増やすと報じられた。

穀物は年明けから底堅く推移し、米シカゴ市場の大豆先物は1ブッシェル9.1ドル前後と約1カ月ぶりの高値圏にある。報復関税で昨年に急減した中国の輸入が回復するとの観測が価格を押し上げた。大豆は主要産地の南米で天候が悪化し、生産量が落ち込むとの観測も買いを誘っている。

非鉄の国際価格も下げ止まってきた。指標となるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物は銅が1トン6000ドル前後、アルミニウムが1900ドル前後。1月上旬に比べ3~4%高い。銅とアルミは、中国が世界需要の半分を占めるだけに、米中関係の改善は中国の非鉄需要を押し上げる効果も期待できる。

CRB指数は反発基調

CRB指数は反発基調

米中両国は今月末、継続協議を閣僚級に格上げして開く予定だ。中旬にはムニューシン米財務長官が対中制裁関税の取り下げを政権内で主張していると米紙が報じた。米中関係に加え、金融市場が落ち着いてきたのも無視できない。

昨年12月に急落した株価の復調に伴い、投資家心理は改善している。さらに最近のドル高一服は、ドル建てで取引する国際商品の割高感を和らげる。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は年初に利上げの一時停止を示唆した。「利上げとドル高という昨年の逆風が取り除かれ、商品相場の上昇には朗報」(米ゴールドマン・サックス)との見方がある。

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