習近平主席「『灰色のサイ』に警戒を」債務問題念頭か

2019/1/21 21:27
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【北京=高橋哲史】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は21日、地方や中央政府のトップを北京に集めて学習会を開き「我々は変化の激しい国際情勢や複雑で敏感な周辺環境に直面しており、高度な警戒を保たなければならない」と訴えた。中国経済の減速が鮮明になるなか、米国との貿易戦争を乗り切るために指導部の引き締めを狙ったとみられる。

習氏は警戒すべきリスクとして「『ブラックスワン』だけでなく『灰色のサイ』も防がなければならない」と強調した。

「ブラックスワン」はリーマン危機のようにめったに起こらないが、いったん発生すれば極めて大きな影響を及ぼす問題をさす。一方、「灰色のサイ」は起こる確率が高いものの、だれも何もできずに見ているしかないリスクを意味する。

中国ではしばしば、シャドーバンキング(影の銀行)や地方政府が抱える巨額の債務といった問題が「灰色のサイ」にたとえられてきた。習氏はそれにあえて言及することで、中国経済のアキレスけんである債務問題への危機感を高めるよう地方政府の指導者らに求めたとみられる。

独自の科学技術を発展させる必要性にも言及した。「科学技術の領域における安全は国家の安全を構成する重要な部分である」と述べ、国全体で技術革新の能力を高めなければならないと強調した。米国が中国のハイテク分野における台頭を押さえ込もうとしている現状を意識した発言だ。

習氏は「(中国が)海外に持つ利益の保護を強化し、海外の重要プロジェクトや人員、機構の安全を確保しなければならない」とも語った。カナダが米国の要請で華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長を逮捕した事件を念頭に置いているもようだ。

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