2019年2月16日(土)

外国人の若者、夜間中学に集う 日本定住の足がかりに
ドキュメント日本

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社会
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2019/1/27 19:28
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 公立の夜間中学に若い外国人が集う。出稼ぎの親と暮らす10~20代が多く、全生徒の7割を占める。今後も増加が予想され、学校側は日本語指導の充実を進めている。外国から来た若者の定住とステップアップの支援。新しい役割を得た教室を訪ねた。(金子冴月)

夜間中学で日本語を学ぶ外国人(12月、東京都葛飾区)

夜間中学で日本語を学ぶ外国人(12月、東京都葛飾区)

パリヤル・ソナリさん(17)はネパール西部の出身。中学2年生の途中で学校をやめ、2018年2月、先に来日していた両親の下に身を寄せた。同年の暮れも押し迫ったある日の夕刻、東京都葛飾区にある双葉中学の夜間学級にソナリさんの姿があった。生徒はネパール、フィリピン、中国など5カ国から来日した41人の外国人。

教室には会話を練習する声と、漢字を丁寧につづるペンの音が響く。

ソナリさんは「難しいけど、もっと上手に話せるようになりたい」。週4回、午前10時から午後3時まで千代田区内のホテルで働く。仕事はベッドメーキングで、給料は月9万円。交通費、給食費など通学に必要な支払いを済ませ、家にお金を入れれば自分で使える分はほとんど残らない。

生徒の過半はソナリさんと同じく仕事を持っている。「稼ぎの足しに」という親の考えで来日する場合も多く、入学を反対された人もいる。ソナリさんの母も「女性に学問は必要ない」と娘が学校に通うことに消極的だ。入学に必要な手続きは親戚に協力してもらったという。

文化祭でオリジナルのダンスを披露したことが自信となり、今はネパールダンスの教室を開くことが目標だ。「日本が大好き。住み続けるためにも高校へ進学したい」

担任の菊池和子さんは多くの外国人生徒を見てきた。稼げるだけ稼ぎ、母国に戻るという考えの生徒も現実には少なくないという。

若年で来日し、言葉の壁にぶつかりながら単純労働に従事する暮らしには過酷さが伴う。菊池さんは「学びを通じて、日本で自立して生きていくための力を身につけさせたい」と話す。

17年に施行された「教育機会確保法」に基づき、各県に公立の夜間中学を最低1校は設置するという目標が示された。引きこもりや不登校対策が主目的だが、全国の夜間中学の生徒は約7割が最近日本に来た外国人。中学の履修内容を理解するための日本語教育が重要な課題になっている。

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